医師 黒木 弘明

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二〇二四年 四月三〇日(火)

綴りごと 想いごと

月曜日の朝

月曜日の朝。

それだけでも微妙なのに、

この季節雨が降っていると、余計に憂うつになる、

体調が思わしくなくなる、

自分でもどうして良いのか?分からず、

対処しきれなくて困っている、

そういう方も沢山居られると思います。

そんな人に向かって、

悪気は無いのでしょうが、他人事だと思って

「もっと頑張れ」

「もっと気合いを入れなさい」

「○○すれば解決するのに」などと

正論めいた発言したり、

内心で思っている人も居るでしょう。

(言わなくても伝わりますヨ)

自分の体調が整わなくて困っている人の、

周囲の人の無理解ほど

事態を悪化させるものは有りません。

「悪いのは本人」「本人の問題」

と言っている割には、内心では

自分に被害が及ぶのを怖れているのでしょう。

つまり、それが不調の人と自分の

『共同の問題』であることに

気付いていないのかも知れません。

体調が思わしくない人だけの

問題ではないのです。

それを非難している人にも、

何か別の隠れた問題が

潜んでいるのかも知れません。

頑張る人が

自分が好きで頑張っているなら構わないのですが、

それを他人にまで強要するのは、

頑張り過ぎな人の特徴です。

またそういう方に限って、

自分は頑張り過ぎだとは思っていないことが

多いようにお見受けします。

辛そうにしている人、

辛いことを悟られないようにしている人

に向かって、

「おい!もっと頑張れば良いじゃないか!」

と平気で言っている人は、実は頑張り過ぎな人。

『悲鳴をあげている自分の声』に

気づいていない人かも知れません。

他人を見てイライラすること自体、

苦しんでいる『自分の声』です。

他人を非難して、自分は悪くないことを証明し、

一時的に自分を優位な立場にして、

気を紛らわせても、おそらく無駄です。

イライラしている人は

既にエネルギーが枯渇し始めているのですから。

これこそは

「自分をお世話していないと

他人を傷つけてしまう」典型例です。

しかも、自分の身近な人、愛する人であっても

(意図せず)傷つけてしまうのです。

自分に対する無理解は、

その人の了見を狭くし、想像力を奪い、

それは他人に対する無理解となり、

やがて差別を生み、暴力へ悪化してしまいます。

残念ながら、人類はまだこの問題を

克服しきれていません。

だから

自分を大切にしましょう。

自分をお世話しましょう。

愛する自分を守るために。

愛する人を傷つけないために。

この世界の平和の基盤は、今のあなた自身です。