医師 黒木 弘明

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二〇二四年 五月一日(水)

綴りごと 想いごと

君の方が大きい

イラッとして、ムカッと来て、やがて怒る
何故だろう?考えたことがあるかい?


イラつく自分を放置するのも
自分を無視して傷つけることになるから
ちゃんとお世話してあげた方が良いよ。


さて、あなたは何故イラつくのか?
何故怒りの導火線に着火するのか?


誰かのせいだろうか?
誰かによって怒りの導火線に放火された
あなたは被害者なのだろうか?


確かにそうかも知れない。
ではその怒りの導火線は
どんな構造になっているのか?
考えてみたことはあるかい?


つまり誰かによって
怒りを誘発されたとしても
あなたは何に怒っているのか?
怒る時のあなたはどんな状態なのか?
何があなたを怒らせるのか?


少し自分の胸に手を当てて
考えてみないかい?
自分のことだから。


色々あると思うけど
結局は「自分が不利益を被ると感じた時」
あなたは怒っていると思うよ。


あの人が許せないとか…
あの行為が許せないとか…
口では言うけども…


それが自分の不利益に繋がると感じる時
それによって自分の何かが
おびやかされると予測された時
あなたは怒るのでは?


予測だから
確率が低ければイラっとする
確率が中等度になればムカッと来る
確率が高ければ怒る
現実に起きていれば激しく怒る


さらにその出来事が
自分のトラウマに抵触すれば
制御不能なくらいに憤る


そんなことはないかな?
自分がおびやかされている
と感じる時に威嚇するのが怒りだね。


怖いんだね。
だから怒るんだね。


何故怖いのか?
何故あなたは怖がるのか?


それは自分がおびやかされる
とあなたが確信してしまうからだろう。


確信の持ち方を変えてみないか?
工夫してみないか?


あなたがこの世界の片隅で
必死に生きているのに
誰かがあなたに不利益を持ってくる…


というあなたの人生物語の
初期設定を変えてみないか?


この世界の中で
あなたが生きている
のではなくて


あなたが世界そのものであり、
あなたという世界の中に
社会がすっぽり収まっている


大きな社会の中に
小さなあなたが
生きているのではなく


あなたという大きな世界の中で
小さな社会が生まれている


あなたの方が大きいから
あなたが不利益を被ることは
あり得ない


一人の人間の力では
太陽を壊すことなど
できないのと同じで


この社会にあるものが
あなたを傷つけることなど
出来はしない


仮にあなたの心身は
すりむいたとしても
あなたの存在価値に
僅かな傷をつけることなど
全く叶わない


あなたの方が大きい
あなたの方がこの世界より大きい
この世界があなたの中に含まれている


あなたの感じ方・捉え方・確信の持ち方が
この世界を定義づけている


という設定に
アップグレードすることは
できないかな?


小さなあなたが
この大きな世界に含まれている
と思う限り
あなたはおびやかされ続けてしまう。


おびえるために
生まれた訳ではないし
おびやかされるために
生きている訳ではないだろう。


ならば、自分の人生の初期設定を
自分でアップグレードしたら
良いじゃないか。


いつまでも怒ってばかりの人生
いつも怒っている自分に気づかない人生
怒ることが美徳と言い張る人生
怒りによって自分を傷つける人生


なんのこっちゃ?


君の世界は
君が創っている
ということを確信したらいい。


社会に生じる、あらゆる歪みは
あなたの信じる心を試すための
トラップに過ぎない🪤


あなたはおびやかされない
あなたは傷つかない
あなたは不利益を被らない
だからあなたは怒る必要がない
あなたは自他を傷つける選択をしない


それよりも、本当のあなたは
どっちの方角に向かって歩みたいのか?
どんな人生を目指しているのか?


いつも自分の心の中にある
大切な人生の羅針盤を忘れずに。


怒りは羅針盤を隠してしまうから
怒りは人生に霧をかけてしまうから
自分を迷子にしてしまうから


怒りを感じたら
またここに戻ってきたら良い。
何度でもアップグレードし直せば良い。