医師 黒木 弘明

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二〇二四年 四月二五日(木)

綴りごと 想いごと

小まめに自分を癒すことの大切さ

 

「あの人の言葉には、愛を感じない…」

誰かが、このように言っているのを、

時々耳にすることがあります。

その理由は、ふたつ有ると考えます。

 

 

一つは、

その言葉の中に含まれる「愛の分量」が少ないこと。

 

もう一つは、

聞く側の「愛を感じ取る力」が低下していることです。

 

 

疲れてきたり、コンディションが落ちてくると、

日常の中から「愛を感じ取る力」や、

日常の中に「愛を見出す力」が、明らかに低下して来ます。

 

 

その結果、愛から遠ざかるのです。

愛から遠ざかって元気になる人は、誰も居ません。

更に苦しくなります。

 

 

苦しくなると、余計に「愛を見出す力」が落ちて

どんどん愛から遠ざかって、どんどん苦しくなる。

その悪循環、負のスパイラルに入ってしまいます。

 

 

どんなに親しくても

自分の周りの人の言葉の中に

自分が満足するだけの愛があることを

いつもいつも期待するのは

身勝手というもの、かも知れません。

 

 

投げつけられた言葉によって

あなたが傷ついたとしても

あなたが自力で愛を見出せば

愛から遠ざかることはありません。

 

 

たとえ愛のない言葉をぶつけられたとしても

そこに愛が存在しない、とは限りません。

 

 

言葉の中や、物の言い方の中に含まれる

「愛の分量」が少なかっただけで

言葉の外に愛が隠されていることも十分あり得ます。

(愛が何処にもない、ということは有りません)

 

 

言葉の外の愛?

どういうことでしょうか?

 

 

仮に、あなたが誰かの言葉で傷ついたとしても

そのことからあなたは

何かを学ぶことが出来ませんか?

 

 

あなたの中で何か傷つく部分が生まれる

ということは、

そこは、あなたが「大切にしている部分」である

ということを指し示しています。

 

 

不意にあなたが傷ついたとしても

そのことによって同時に

あなたの大事なものが浮き彫りになっているのです。

 

 

あなたにとって大事なものであればあるほど

あなたがそれを護ることが出来るようになったり

あなたが癒すことが出来るようになったりした方が

この先のあなたは、生きやすくなるのですよ

ということを示しています。

それが傷つくということです。

 

 

お分かりでしょうか?

あなたを傷つけた「愛の分量」の少ない言葉の外には

あなたの人生が生きやすくなるように

あなたを導く愛が、しっかり存在するのです。

 

 

あなたを傷つけた人を恨み続けても

あなたの傷はうずくことはあっても

癒えることはありません。

 

 

どんなに苦しくても

あなた自身が、傷ついた自分を癒そうとしなければ

あなたが、愛を見出そうとしなければ

あなたが、愛を信じて自ら行動し始めなければ

傷は癒えません。

 

 

自分で自分を癒そうと行動を起こさない人や

愛と信頼を持って行動しない人が

どんなに高名な専門家に、いくら多額の報酬を支払っても

結果的に、癒されることは難しいのです。

 

 

 

辛い時は、誰しも

独りぼっちの様な気がします。

暗いトンネルに迷い込んだ様な気がします。

 

 

でもあなたは、騙されてはいけません。

それは、あなたの感情が反射的に造り出した闇です。

 

 

同じ空の下、今日もこの星の何処かで

あなたの様に苦しみながら

光を見出そうとしている人は居ます。

ただ、出逢っていないだけで、同朋は必ず居ます。

 

 

同じ様に、苦しむあなたの

力になろうとしている人も必ず居ます。

ただ、出逢っていないだけです。

 

 

そして、信じてください。

その苦しみも、その試練も

あなたは乗り越えることが出来ると。

乗り越えることが出来るから

その試練を与えられたのだということを。

 

 

あなたの人生が、試練を与えながら

あなたを大きくする為に作用していることを

疑わないでください。

 

 

あなたは、愛されている存在であるが故に

あなたの人生によって、育てられつつあるのです。

 

 

そのことを疑えば、愛から遠ざかります。

そのことを信頼すれば、愛を迎え入れることになります。

 

 

いずれにしても、苦しくなってしまうと

なかなか判断も、行動も鈍ってきます。

 

 

ですから、そうなる前に

もしくは、苦しいと感じたら

早いうちに、しっかり休みましょう。

 

 

日頃から、小まめに自分を癒す習慣を

身につけておく、ということを

全ての人に私はお勧めしております。