医師 黒木 弘明

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二〇二四年 五月一六日(木)

綴りごと 想いごと

願いという名の依存をやめる

 

最初に結論から。
今この瞬間が仮に自分の
思った通りにならなくても
他人ではなく自分に信頼を置くのです。

 

 

〜して欲しかったのに…
〜してくれないから悲しい…
私の気持ちが分かってもらえてない…
私の願いが叶わないのが辛い…

 

 

そんな気持ちを抱くのはよくあること。
ですがこれは、自分以外の人間に
何かを期待したり、
何かを求めたりした結果が
自分の思うようにならないので
動揺・幻滅しているという状態です。

 

 

つまり、他人の一挙手一投足で
自分の心の幸せが揺らぐことを
自分で許可している状態です。
これは他人に対する願い・期待
ではなく、実は依存です。

 

 

健全な期待や願いは
叶わなくても動揺・幻滅しません。
なぜなら、対象が自分だからです。

 

 

それに対して、凸凹の形となった
願いや期待は、対象が他人なので
結果次第で、自分が大きく揺れます。
思い通りになったら、一緒に喜びますが
思い通りにならないと、相手を責めます。
これが依存です。

 

 

自分で気づかないうちに
自分以外の人やモノに
過度の願いや期待を込め、
依存してしまう人たちの多くが実は、

 

 

依存されてきた人たちです。

 

 

その人たちもまた
誰かから過度な期待や願いを
背負わされ、誰かの望んだように
上手くいくことが義務のように
求められ続けてきた人です。

 

 

多くは親、あるいはパートナー。
彼らの勝手な期待を背負わされ、
それに沿わないと彼らは途端に
不機嫌となり、責めてくる。

 

 

彼らの口癖は大体決まっていて、
「これがあなたの為だから」
「これはみんなもやってることだから」
「これが私のささやかな願いなの」

 

 

そんな環境に長い間
身を置いてきた人は
依存され続けてきた人です。

 

 

依存されてきた人の多くは
「他人が自分の幸せを左右する」
「他人が自分を幸せにしてくれるもの」
という感覚・考え方を強く抱きがちです。

 

 

だから自分の幸せを
自分以外の誰かによって
叶えてもらいたくなってしまう。
誰かに期待してしまう、
誰かに願ってしまう、
そんな癖がついてしまいがち。

 

 

親子間の依存は世代を連鎖します。
パートナー間の依存も
人の間を連鎖します。
それが社会では同調圧力となり、
多様性への理解の乏しさに繋がり、
生きづらい社会の元となります。

 

 

そう、みんな依存されてました。
親、先生、年長者、周りの人は
好き放題に依存し、不機嫌となり、
私たちに当たり散らしてました。

 

 

おそらく貴方に依存してきた人も

誰かに依存されていたのでしょう。

 

 

 

ですがその連鎖、
もうここで止めましょう。
私たちで止めましょう。

 

 

依存されてきた私たちが
無意識のうちに、周りの誰かに
依存していることを閑かに認め、
協力者の手を借りながら
依存によって傷ついた心を慰めながら
新たな依存をやめてゆきましょう。

 

 

依存の連鎖を止めるためにも
自分の幸せを安定させるためにも
自分を幸せにしてあげましょう。

 

 

期待する相手は自分です。
思い通りにならなくても
負の感情に支配されない自分を
期待して、育ててあげるのです。

 

 

願いの対象は自分です。
自分以外の存在ではありません。
負のように見える体験さえも
光り輝く自分の影に過ぎません。

 

 

もちろん、そこに家族や友人の
理解や手助け、協力があれば

確かに助かりますが、でも彼らは

あなたの為だけに生まれてきて、
生きている訳ではないことも忘れずに。

 

 

誰かに依存しなくても、
何者かにすがらなくても、
あなたは幸せになることができます。
それを証明するのが、あなたの人生です。

 

 

あなたの踏み出す一歩を
あなたが待っています。
自分と向き合うあなたを
誰よりもあなたが待っています。