医師 黒木 弘明

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二〇二四年 四月二六日(金)

綴りごと 想いごと

長引く不調の共通点

例えば、夜眠れないとか、

気持ちが沈みがちだとか、やる気が起きにくいとか、

そんな調子が一日二日ではなくて、しばらく続いている。

一週間とかではなくて何ヶ月も、何年も。

そういう方からのご相談は多いです。


でも、そう言う方々は

決して何もしていない訳ではなくて、

ご自身なりに試行錯誤なさっています。

医療機関や治療院に行ったり、自分で勉強したり、

改善の努力を既にされている人が多いです。


それなのに上手くいかない、スッキリしない…

どうしたら良いものか?というご相談が少ないないです。

(大体、僕の所には「アレコレ試したのに

奏功しなくて困った」という方が来やすいですね)


お話を聞けば、

ほとんどの方が何か個人的なこと、

パーソナルなことで引っかかって

居られることが多いです。


なので、僕はお話を沢山伺って、

そのパーソナルな所に焦点を当てて、

引っかかりを探し、心の中を整理するアイディアを

ドンドン提供してゆくのですが…


こういった書籍とかブログの場では、

読者の方のパーソナルな事情は分からないので、

踏み込めないので、やむを得ず、

一般的なお話しになることをお許しください。


話戻って、とにかく長引く不調、

長いこと自分が本調子じゃない、

とお感じの方々に共通していることが

ありそうなので、今日はそれを書きます。


その共通点とは…


ご自身のご不調に対して、
否定的な姿勢をとっていることです。


何やってるんだ私は!
いつまで怠けているんだ!
ちゃんとしなきゃ!
いい加減シャキッとしなきゃ!
あんなに休んだでしょ?
他の人を見なさい、みんな勤勉だぞ!
あなたは何?怠惰じゃないの!
その不調、早く治しなさい!


こんな風なことを言う自分、
こんな風に自分の不調を責め立てる自分
が居られるのが共通点かな?と。


心身のいかなる症状も、声です。
誰の声か?といえば自分の声です。


では、一体その声は、
誰に向かって発せられた声でしょう?
もうお分かりですね?


それも自分です。


ご自分に向かって発せられた声
それが心身の状態です。


ですから、いかなる治療をしたところで
その症状、その声は、治療者の方を
向いているのではありません。
あなたに向けられているのです。


現代には様々な素晴らしい治療があり、
それに従事する専門家たちがいますが、
あなたの声(症状)は、最終的には
あなたに診てもらいたいのです。
あなたに相手をしてもらいたいのです。


で、あなたはどうですか?


不調の自分に鞭を打ってないですか?
不調=悪、だと思ってないですか?
不調の自分を否定してませんか?


じゃなくて、あなたの心身は
あなたに抱きしめてもらいたい、
あなたに認めてもらいたい、
あなたに肯定してもらいたい、
あなたに愛してもらいたいのです。


たとえばこんな風に


ねぇ?何だかここの所ところ、
本調子じゃなさそうね?どうした?
怒らないから言ってご覧?
あ?ひょっとしてあなた、
私を休ませてくれてるのかしら?
え?何?この休みが私の人生に
とても大切な時期になるの?
へぇ〜そうなんだ。
じゃあ、有り難く休ませてもらうわ。
ありがとう、私さん。


と言うような感じでも良いので、
とにかく、不調=悪と思わず
先々のことも一旦脇に置いて
こう想ってみて下さい。


『今の自分は最善の道を歩んでいる』


あなたの人生を信頼して下さい。
わずかでも疑念・心配が出ると
最善に繋がっているはずの道がグラつくんです。
するとまた新しい不安がやって来るんです。
そういうイタチごっこです。


もう不調の自分に飽きた、
もう自分を叱るのに飽きた、
不安と心配のイタチごっこに飽きた、
という方は、押してダメなら引いてみな。


自分を褒めてみよう。
自分を肯定してみよう。
これで良いのだ!と
とりあえず口に出していってみよう。
紙に書いてみよう。


そんなの口で言うのは簡単や!
不納得なままで、自己暗示みたいな
そんな真似はできないわ!


という(良い意味での)ガンコちゃんも
世の中に沢山居られるのも僕は知ってますし、
確かに、それで全てが解決するとは限らない。


別にこれは勧誘でも何でもないし、
試すのはタダなんだけど、
それでも実行できない人の中には
やっぱり何かが引っかかってるかもですが、
ここから先は、やっぱりパーソナルな領域なので
この場で書けるのは、口惜しいけど、ここまで。


ということで、まとめです。


不調の時は自分を責めずに
追い討ちをかけないことが大切。
むしろ、肯定する所から
好転の糸口が見つかるかもです。


あなたは悪くない。
あなたは大丈夫、大丈夫。
自分に耳をすまして。