医師 黒木 弘明

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二〇二四年 四月二七日(土)

綴りごと 想いごと

身近な関係

 

 

身近に居る人だから?身近に居て欲しい人だから?
何だか知らないけど、お互い傷つけあってしまう…
そんなこと全然望んでないのに…

 

 

そんな人間関係、誰しも経験ありませんか?
親子とか、パートナーあたりの、
簡単に切れない人間関係に多い現象かな。

 

 

大体共通してるのが「身近な人」ということ。
物理的にも、心理的にも身近な人。
つまり、距離が近い人なんだけど、その内訳は
身近な所にいて欲しいと心で思っている人で、
期待することが多い相手じゃないかな?

 

 

あれをして欲しい…これをして欲しい…
こうして欲しかったのに…こうあるべきなのに…
なんで分からないかなぁ…こっちの気持ちを考えてよ…

 

 

相手に自分を察して貰いたい…
自分の想いをもっと理解してもらいたい…
でも面と向かっては話しにくい…

 

 

うん、やっぱり期待が大きくなってるかもね。
で、こちらは相手の気持ちを考えているか?
と言うと、実はあんまり考えてないかも…?

 

 

なんとなく、相手がこっちを理解する方が先だ!
って、思ってるのかも知れない。
つまり、分かって欲しい気持ちが強いんだよね。

 

 

それだからかな?そのせいかな?
その相手とのコミュニケーションって
結構、粗っぽくなってたりしませんか?
素気なくなったり、言葉に角があったり、
他の人には言わないような言葉が出てきたり。

 

 

他の人には、最低限の気遣いがあるけど
その相手には気遣うことが殆ど無い…
気遣うような相手じゃないから…
他人じゃないんだから、そんなことしない…
何も気遣わないのが最も身近な人なんだから…
って思ってませんか?

 

 

つまり、心のどこかでは
相手に分かって貰いたいという想いがあるから、
その人の前では自己表現のボリュームを調節せずに
ほぼフルボリュームで接してしまう。
お互いにフルボリュームだからお互い耳が痛くなる。

 

 

そんな感じで、身近な人との関係に
段々と暗雲が立ち込めてしまう…
そんなことが誰しもあると思います。

 

 

相手への期待が強くなるあまり、
相手への心遣いが減っていって、
フルボリュームのコミュニケーション。
お互いが疲れるから距離が遠のく。
遠のくから更にボリュームアップ。
もっと疲れる…その繰り返しだったり。

 

 

改めて考えてみて、そんなことありません?
そもそも、その人はホントに
貴方の大切な人なのかな?

 

 

自分のことを理解して欲しい人なのかな?
相手のことを理解してあげたい人なのかな?
理解して欲しいけど、理解したくない人なのかな?

 

 

理解して欲しい人なら、貴方の好きな人。
理解してあげたい人なら、貴方が愛している人。
理解して欲しいけど理解したくない人なら…
貴方が甘えさせてもらっている人かもね。

 

 

良いんだ、良いんだ。悪い訳じゃない。
みんなそうやって育ててゆくもんなんだ。
そうやって人間関係と自分を育ててゆくんだ。

 

 

自分が傷つかない人間関係に育てる。
甘えから好きに、好きから愛に。
傷ついても肯定出来る自分を育てる。