医師 黒木 弘明

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二〇二四年 四月二五日(木)

綴りごと 想いごと

賢い人

お花屋さん、からあげ屋さん、床屋さん、おそば屋さん、八百屋さん、パン屋さん、珈琲屋さん、クリーニング屋さん、和菓子屋さん、お茶屋さん、自転車屋さん、小料理屋さん(順不同)…などなど、枚挙にいとまがありませんが


この人たちとお話しをする度に
「うわぁ〜ホント頭良いなぁ〜なぁ〜」
と僕は唸るように、感服いたします。


比べること自体には意味はありませんが、
少なくとも、僕よりもこの人たちの方が
頭が良いなと僕は感じます。


この方々は頭の回転がとても良く、
相手の言わんとしていることを即座に理解して、
相手を思いやる言葉と、気が利いた言葉に加えて
何とも良い表情を加えて返して下さります。


思わず僕が「すごいですよ〜」と言うと
決まって彼らは「自分は大学出てません」と言う。
彼らなりの謙遜なのかな。照れなのかな。


彼らは世間という立派な教育機関に
ちゃんと入学されている。
そして今も在籍して、学び続けている。


世間という枠に囚われない教育機関には、
どこよりも多種多様の教授陣が豊富に揃っていて、
そこで学ぶ彼らは勉強熱心で、向学心もあり、
さらに力を抜くのが、とてつもなく巧い。


それでいて、どの人も概ね
「苦労」や「スランプ」
という科目を履修済みである。


自分の黒歴史なんぞ、笑顔で喋れるほどに
彼らは乗り越え、再び立ち上がる。
でも自慢はしない。実に謙虚である。


そんな最高学府・チイキシャカイと
その学舎の中で生きる自営の方々。
彼らに触れるたびに僕はおののく。


一体何者なんだ、この人たちは!
このエリート集団は一体、何なんだ!
と僕は心底おののく。


そんな彼らと接していて
僕は自分が惨めになるとか、すごく焦るとか、
そういう事はない。ただただ嬉しい。


自分よりも賢い人が沢山居て嬉しい。
自分よりも優れた人が沢山居て嬉しい。


だってその分、
世の中が豊かなんだから。
豊かな世の中を肌で感じて、僕は嬉しい。


おお、そうか。
みんなアジサイの花なのか。
それぞれが咲いて一輪の花を成すのか。


今日もチイキシャカイ(地域社会)で学び、
良心をふりまく方々に心から賛辞を贈ります。
面と向かっては言えないから(笑)


みなさん、ありがとうございます。
これからもお元気で居てください。
みなさんが咲く世間が、僕は嬉しいです。