医師 黒木 弘明

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二〇二四年 四月二五日(木)

綴りごと 想いごと

誰かを助けたい

誰かの役に立ちたい、社会に貢献したい、

そういう発想自体は素晴らしいです。

ですが、そう述べる人に対して、

私が毎回お尋ねするのは、

その理由の方です。


見栄を張らずに、素直に自分に問いかけてみて下さい。

耳障りの良い言葉で、自分や他人を誤魔化さず、

正直になって、胸に手を当ててお答えください。

あなたはなぜ、誰かの役に立ちたいのですか?

誰かの役に立つことで、必要とされる存在になりたい。

必要とされることで、自分の価値を感じたい。

もし、それをしなければ、

自分の存在価値を感じないし、

誰からも、感謝も称賛もされないし、

収入も上がらないし、それだと

自分がロクでもない人間のような気がするし、

そんなのは怖いし、それは絶対避けたい。

だから

誰かを助けて、役に立って、社会貢献したい。

何も、そういう動機を持つのが悪いことだ

と言っているのではありません。

その上で、もしもそうであれば、

その動機の背景には、

怖れが、在るようにお見受けいたします。

人間誰もが怖れを握りしめています。

怖れを感じるのが、人間という生きものです。

あなたは本当は、本心では

自分を助けたいから

誰かを助けたかったのですね?

ということは、

まず先に助けてあげるのは

怖れを握りしめている自分の方ですね。

どなたか協力してくれる方は居ますか?

と、私は申し上げるかも知れません。

どこまで行っても自分の人生。

やっぱり自分を大切に。