自愛の理由
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もう何回も書いたり申し上げたりしておりますが、
なぜ自分を大切にすることが大切なのか?
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たとえば、あなたが
素晴らしい技や力を得たとします。
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もしもその時、あなたが
自分を大切にするということを
習得していなければ、どうなるでしょう?
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あなたはその技や力を
正しく扱うことができるでしょうか?
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正しいというのは、
他人や自分以外の命を傷つけない
という意味に加えて、
自分を傷つけないということです。
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怒れば自分が傷つきます。
悪口や陰口は自分を傷つけます。
求めれば出口の見えない欲の扉を
開けることになります。
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自分を大切にしていないということは、
自分の大切さが分からないということであり、
自分の持つ影響力が分からないということです。
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自分の持つ力が分からない人が、
技や力の大きさに任せて
それを行使すれば何が起きるでしょうか?
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自分を大切にするということは、
自分を捉えるということ、
自分を把握するということです。
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苛立ちや怒り、悲しみ、恍惚など
表層的な感情ではなく、その心底に居る
自分を捉えるということです。
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自分を捉えるのが面倒で、
自分を大切にするのが厄介だから、
別の手段として、あらゆる技や力を得て、
自分の存在を肯定しようとしたとしても、
正しく使えなければ、結局は自分が傷つくのです。
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足し算や引き算を習得していない状態で、
微分積分に挑戦するのは、相当な難易度です。
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ギターのチューニングが出来ないのに
いきなりソロ・ギターに挑むのは
かなり大変なことです。
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ストレッチ体操もしたことがないのに
初めて出場する大会がオリンピックで
そこで金メダルを取ろうと目論むのは
夢というより幻想です。
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巷に溢れる心地よい言葉に頼って
自分を守る鎧を増やしていったとしても
重い鎧を着る自分の足腰が立たなければ
自分が疲れ果て、消耗するだけです。
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自分の感情を扱えない状態で、
他人に期待して、自分の思うままに
動かそうとするのも同じことでしょう。
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自分の感情や心を捉えられない状態で、
いきなり魂の問題に飛躍しても、
少し無理があるのかも知れません。
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まずは自分を大切にしてあげること。
他人があなたを大切にすることを
求めるのではなく、
あなたが自分を大切にすることです。
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あなたがあなたをしっかりと見てあげる。
しっかりと離さないで抱きしめてあげる。
あなたがあなたを守ってあげる。
あなたがあなたの信頼できる人になる。
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そのことで他者を無闇に傷つけない自分
自分を傷つけない自分を育てる。
そこが平和、安寧の始まりではないでしょうか。
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そして技や力の話ですが
本来、全ての人には
何らかの美しい能力が備わっている
と私は感じています。
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ただし、それを最初から自分で
把握できていないだけのことで。
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能力をつけるというより、
自分を大切にしてゆく中で、
自ずと浮き彫りになってくるもの、
浮かび上がってくるものが
その人に備わった力ではないか?
と感じています。
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欠けているものを補うだけではなく
自分の中に備わっているものを大切に。
あなたという無限の資源を大切に。