育てる
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お子さんのご相談を受けたこともあります。
「集団生活ができるか?とても心配」とのこと。
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ご両親がお子さんを連れて来られました。
緊張しているお子さんに私が「こんにちは♪」というと、
お子さんは私の目をしっかり見てくれましたが、
親御さんが「ほれ!ちゃんと挨拶しなさい!」
といきなり叱咤されるものだから、私は
「いえいえ、お母さん。待ってください。
この子は今、僕にちゃんと挨拶してくれましたよ。
言葉じゃなくて心の中の声で挨拶してくれましたよ。
この子はこれから言葉を出すところでしたから」
と申し上げました。
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程なくしてその子が、
応接間に飾ってあるテディベアを使って
キャッキャ!と遊び始めました。
すると親御さんが
「こらっ!それは高価なものだからダメよ!」
とたしなめるので、私は
「いやいや、大丈夫ですよ。
この子は力の加減を知っています。
この子の遊び方を見ればそれがよく分かります。
大丈夫ですよ」と申し上げました。
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その後、ご両親のお話を
それぞれ個別に伺いました。
子育て以外にも心配事がありそうでした。
まぁ、親だって人間ですから、当たり前です。
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そして、お子さんを連れて
近所の公園に行くことにしました。
外に出ると、その子は力一杯走り始めます。
すると親御さんが「こら!待ちなさい!」
というものですから、私は
「いえいえ大丈夫で〜す。
私が一緒に走って着いて行きますから」
と申し上げました。
私はスポーツは得意ではありませんが、
突然の子どものダッシュにはついて行けるのです。
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公園でその子は汗だくになって💦遊びます。
遊具を変えるたびに「ねぇ〜こっち見て〜♪」
とせがみます。親御さんたちはクタクタなので、
あまりついて行けない。代わって私が
その子の動向を注視しています。
子ども(人間)の中には
「自由にしたいという願望」もありながら、
なおかつ「その様子を一緒に経験して欲しい」、
「自分の世界を(自分の世界に入って)
一緒に見て欲しい、共有して欲しい、
理解して欲しい、」という願望もあります。
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しばらく遊びました。お子さんの表情は爽快です。
親御さんは当初「この子は挨拶ができないから、
それで第一印象を崩して、集団生活に入る
キッカケが掴めないのではないか?」
と心配されてましたが、公園の帰り道で
お巡りさんに向かって、その子が
「こんにちは〜♪♪♪」
と元気な挨拶をしました。
これにはご両親も驚き、ご安心なされたようです。
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そんな感じです。
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子育てとは「子どもを育てること」と
多くの方がお思いですが、
『子どもが(周囲を)育てる』
という側面があるのを忘れないでください。
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子どもにしても、部下にしても同じです。
親が育てる、上司が(上から目線で)育てるだけでは
上手くいかないのは、もう皆さんご存知でしょう。
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指導する側の考える「あって欲しくないこと(怖れ)」を
過度に避けようとして指導していると、
それは相手に怖れを投影・移入することになります。
その相手が素直な子(人)であればあるほど、
指導者の怖れはそのまま結果に反映されます。
こうして指導者の「起きて欲しくない事(怖れ)」が
具現化するのです。これは果たして、
子ども(部下)の能力の問題でしょうか?
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躾と、指導と、信頼関係の構築は全て別物です。
同じく、組織における
人財採用・人財定着・人財育成も全て別物です。
親が子から学ぶ、上司が部下から学んで
自らを省みる所が、真の教育のスタートです。
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昨今はあらゆる所で、様々な情報が巧妙、
かつ狡猾に飛び交うので
(見ている人の欲求や不安が刺激されてしまうので)
皆さん飛びつきがちですが、
メソッドや理論だけではなくて、
外せない大切なポイントは、
やっぱり心の姿勢なのです。