医師 黒木 弘明

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二〇二四年 五月一六日(木)

綴りごと 想いごと

真の望み

 

 

満月の夜は、未来に向けて

願い事をする人もきっと居るでしょうから、

大切な点を申し上げます。

 

 

今この人生を通して最終的に
自分はどんな人間になりたいのか?
どんな感性を持つ人間になりたいのか?

 

 

これを私は目標と呼びます。

 

 

貯金がいくら欲しい、美貌が欲しい、
大きな家が欲しい、高い車に乗りたい、
有名になりたい、認められたい、
愛されたい、満足したい、見返したい、
不安を金輪際全て消したい、
不満が一切来ない保証が欲しい、など

 

 

これらは欲望と願望であって
人生に対する一種のクレームなので
目標とは、私は呼ばないのです。

 

 

欲望や願望は、
天国?いわゆるあの世に行って
好きなだけ叶えれば良いです。

 

 

そこは誰もが必ず行く所ですから、
放っておけば欲望と願望は叶いますよ。
お時間少々頂きますが、ご安心下さい。

 

 

ですが、その欲望と願望が
ことごとく叶ったとしても、
貴方の幸せは保証できません。

 

 

と言うか、それで幸せならば、
ずっと天国かあの世に
私たちは棲み続けていたはず。

 

 

なんでこんな厄介な地球に貴方は来たの?
なんでわざわざ?遠路はるばる?
何かの間違い・手違いで、貴方は
地球にお越しになられたのですが?

 

 

いやいや、そうじゃない。
私たちは自分の幸せを求めて
今ここに居ります。

 

 

その幸せとは、究極的には
この地球での生涯を通して
自分が目指す人間に近づくための
体験を重ねること、体験を味わうこと。
(注:他人が目指す人間じゃないですよ)

 

 

であって、
潤うことのない渇いた喉のように
脳が悦ぶ満足感を、求め彷徨うことでは
ないのであろう、と私は考えております。

 

 

なりたい人間像。
それが貴方の目標に入ってますか?
それが貴方の夢に充満してますか?

 

 

目標・夢に辿り着くために
なんでも良いので、少しでも構わないので
何かの試行錯誤をしてますか?

 

 

天国と違って、ままならない地球で
思う通りにならない毎日に対して、
自己防衛的に自分は悪くないと言って、
誰かのせいにしながら、欲望と願望が
劇的に叶うのを待ち続けてませんか?

 

 

それではおそらく
待ちぼうけをくらいますから、
一旦深呼吸して、ひと息入れて、

 

 

貴方がなりたい人間像を
イメージしてみて下さい。

 

 

そして、貴方のなりたい人間が放つ、
人間性、つまり愛を携えて
今の地球、今の社会に何を届けたいのか?

 

 

それもイメージして下さい。
私はこれを祈りと呼んでいます。

 

 

欲望・願望もね、良いんですよ、別に。
あれはあれで、独特の粘っこ〜い、
一種の楽しさもあると思います。

 

 

でも欲望・願望が
叶ったり、叶わなかったりして
自分が苛立ったり、乱高下したり、
人生からはみ出しそうになったりして、
極度に疲れる割には心寂しくなるので、
欲望・願望を追い続ける生き方に
疲れ、飽きる日が来ると思います。

 

 

自分の不安と不満に
自分自身が飽きてくるんです。
無理くりの自己肯定に
どこか自分が萎えてくるんです。

 

 

だからそんな形の人生に疲れたら、
欲望・願望コースは卒業して、
目標・夢そして祈りのコースに
挑戦して、編入してみて下さい。

 

 

最初は戸惑うでしょうが、
要領・勝手が分かれば、おそらく
飽きずに永く楽しめると思います。

 

 

貴方はどんな人間になりたいのか?
どんな人間になろうとしてゆくのか?
何をこの地球で体験して学びたいのか?
その過程で、貴方は何を表現するのか?

 

 

それを求める相手は
満月ではなくて自分です。

 

 

求める自分像を描いたのなら、
今の貴方がどの辺を歩き、
今何をしているのかも
徐々にわかって来るはずですよ。

 

 

貴方の目標・夢・祈り。
それを聞きたがっているのは、
他でもない貴方自身かも知れませんね。

 

 

聞かせてやってあげて下さい。
貴方の芯からの真の望みを。