医師 黒木 弘明

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二〇二四年 四月二〇日(土)

綴りごと 想いごと

癇癪

昔の僕は、予定変更があったり、

自分の思うように事態が運ばないと、

すぐ癇癪を出してました。



要するに幼かったんですね。
幼いと言うのは、怖がっている状態です。
怖がっていると言うのは、
自分を信じるのに条件をつけることです。



〜の条件が満たされないと、安心ができない
と思い込んでいた訳です。



今までに幾千回も想定外に遭いました。
その度に癇癪を起こし、社会を罵り、運命を恨み、
人生や他人に腹を立て、天に唾を吐いていました。



そんな風に取り乱しながら
ある時、僕はふと気付きました。



あれ?
それでも僕は生きているぞ?
あれ?



想定外のことが起きても、僕は生きていた。
予定から逸れても、僕は大丈夫だった。
思うようにならなくても、世界は終わらない。
それどころか、人生は徐々に美しい方角に
向かっているようにさえ見えるじゃないか。



そうか…。
もう怖がらなくて良いんだ…。



この先、想定外のことがあっても、
自分の思い通りにならなくても、
結局は善い方角に向かっているんだ。



じゃあ、心配しなくてもいい。
不安がらなくても大丈夫だ。
そう感じた僕は、わめかなくなった。
もう怯えて吠えなくなった。大声出さなくなった。



癇癪が消えた。
そしたら感謝が出てきた。