医師 黒木 弘明

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二〇二四年 四月二七日(土)

綴りごと 想いごと

症状の終わりが始まり

 

首・肩・腰・頭の痛み、めまい、皮膚炎、やる気低下…

ちょっとした症状でも重なったり、続いたりすると

日常生活や就業生活を圧迫する大きな症状になります。

 

 

 

そんな症状もしばらくすると

なぜだか消えてゆくことがあります。

よく原因も分からないまま症状が生まれ

はっきりしないまま症状が消えることがあります。

 

 

 

悩まされていた症状が消えると

多くの人が「治った!」と思い

症状があったことさえ忘れてしまいます。

 

 

 

しかし、また忘れた頃になると

症状がぶり返し、再燃することがあります。

 

 

 

つまり、治ったと思うのは本人の勝手で

体の方は「まだまだ言い足りない」のです。

症状とは体の声です。

 

 

 

あなたは、体の声を聞いていますか?

24時間365日無休の体をいたわってますか?

体を大事にしていますか?

体に感謝していますか?

 

 

 

症状がある時だけ体を大切にしていませんか?

症状がなくなってからの方が肝心です。

 

 

 

症状が消えても体との対話は続きます。

症状がある時に原因を探り、治療をすることと

症状が無くても体の為を想ってケアすることは

全く別のことです。

 

 

 

例えば、

子どもさんの学業の成績が伸びない時

塾や家庭教師をつければ全ては解決するでしょうか?

勉強しないから点数が伸びない

だから勉強させる、それだけでしょうか?

 

 

 

例えば、

子どもさんが学校に行きたくない、

と言い出した時。

親御さんは心配して、あの手この手と

手を尽くすでしょうが

やがて子どもさんが再び学校に通い出したら、

もう問題は無くなったのでしょうか?

 

 

 

そういうことではありません。

症状があるなら、病院に行けば良い

症状がなくなれば、万事解決した

理論上はそうかもしれませんが

実際には、そんな都合よく体を扱うことは出来ません。

 

 

 

あなたが仕切ってあなたの体を動かしていますが

全てがあなたの思い通りになる訳ではありません。

体にも意思がありますし、心があります。

 

 

 

あなたが邪険に扱った分だけ

あなたの体はスネます。

あなたが体の声を無視した分だけ

あなたの体はあなたの言う事を聞きません。

 

 

子どもも、幼い時は親の言う事を聞きますが

思春期を境に自我が生まれて

親の思うようにはなりません。

 

 

 

それと同じで、

体もあなたが若い時は言う事を聞きますが

30〜40歳ごろを境に体にも自我が芽生え

何でもかんでも思い通りにはならなくなります、

早い人では、15歳を超える頃からそうなります。

 

 

 

あなたの体との対話は

あなたが体を持ち続ける限り続きます。

つまり、死ぬまで続きます。

辞めたくても辞めることは出来ません。

 

 

 

体との対話は一生の仕事です。

面倒でも、生きるとはそう言うことなのです。

 

 

 

だから、体との対話をしましょう。

いつからでも遅くはないので始めましょう。

 

 

 

何でも良いのです。

あなたが自分の体を思ってやることであれば

何でも良いのです。

まず何かやってみましょう。

 

 

 

ストレッチ、運動、姿勢改善

食生活改善、睡眠改善

思考の改善、言動の改善

表情の改善、感情の整理

何でも良いのです。

まず行動を起こしてみましょう。

 

 

 

ここで大切なのは自分の行動です。

お金を支払って、誰かにお任せではダメです。

第三者にお金を支払って

体のケアを手伝ってもらうのは

もちろん大事なことですが

責任者はあなた

と言う事を忘れてはいけません。

 

 

お金を払って誰かに頼んだけど

効果がなかった!と怒ってもダメです。

その人を選んだのも、あなたの責任です。

ダメなら次のやり方を探して下さい。

あなたの体に最もフィットするやり方を

探し続けて下さい。

やるのはあなたです。

あなたの体ですから、あなたの責任です。

そこは逃げてはダメなところです。

 

 

 

ですから、症状があっても無くても

症状が消えたとしても

あなたと体の対話は続きます。

 

 

 

症状の有る無しではありません。

むしろ、あなたを悩ませていた症状が

消えた後の方が対話は重要です。

手放しで喜んで、油断してしまっては

症状が再燃します。

 

 

 

みんな体と一緒に生きているのですから

自分の体と対話を大切にしていきましょう。

 

 

 

自分の体と対話すること

自分の体を大切にすること

それはもっとも原始的な思いやりです。

優しさの始まりです。

 

 

 

特に、他人を助けるようなお役目の方々や

他人を指導するようなお役目の方々

あるいは責任を背負ったお役目の方々は

お仕事や役割に熱心になるばかりに

自分の体に優しくすることを忘れがちなので

くれぐれもご留意くださいね。

 

 

大切なのは、あなた自身ですよ。