医師 黒木 弘明

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二〇二四年 四月二四日(水)

綴りごと 想いごと

病は気から~解釈が大事~

過去のブログの中から反響を頂いた記事を再掲します。(2018.11.25の記事を元に加筆修正)


病は気から、という言葉がありますが、
皆さんは、どのように解釈していますか?


病と言うものは、気持ち(感情)から始まるのだから、
人間は気の持ちよう次第でどんな病でも治るのだ!


と言う解釈が、巷には多いようですが、
失礼を承知で申し上げますと、
それは、ちょっと甘いです。


病と病と向き合う人のことを分かってない人が、
このような精神論に辿り着きやすい傾向を
個人的には感じます。


病の体験者や目撃者からすると、
精神論で「気持ちの持ちようだよ!」
なんて乱暴な言葉で片付けられると
かなりイラッと来たり、落胆したりするので
お気をつけ下さい。


本物の病は、
気の持ちよう(気持ち・感情)でさえも
自分で容易には変えられなくなる訳です。


なってみれば分かります。
もしくは、身近で病いを見れば分かるでしょう。


病は気から。
気=気分・感情
と解釈すると、大事なことを間違えます。


まず、「気」と言うものは、
自分の中から生まれますね。


気分・感情もその一つでしょうが、
あなたから生まれるのは
それだけではありません。


その人の精神的なチカラ
肉体から生まれるチカラ
その人全体の包括的なチカラ
それが、その人の「気」です。


たから、あなたの「気」は、
あなた全体から生じます。


自分全体から生まれた「気」が
調和を欠くと病になるよ、
だから『病いは気から』だと思うのです。


ではどうすれば「気」に調和を
取り戻すことができるのでしょう?


たとえば、あなたのカラダに直接入ってくるもの。
これを見直す事は、あなたのカラダとの付き合い方を
見直すことに通じます。


従って、
食事、食生活、食材への考え方の改善なども
あなたの気を見直すことに繋がるでしょう。


もっと踏み込みますと、
あなたの口から出た言葉、
あなた中にある言葉、思想、
あなたの感じ方、考え方、
あなたの生き方、在り方、
これら全てがあなたの「気」です。


ですから、この辺も混乱したままでは
気が整わないのです。


前述の様に「病なんて気持ちでさっさと治せよ!」
なんて言う人が居るとしたら、
その人こそ病いに気をつけた方が良いです。


他人の心を思いやる、という気
自分の言葉の影響力を慮るという気
が、残念ながら乱れています。


なお、私が言う病いとは、
病気のことだけではありません。


不調和・不均衡・不和・不納得・不満
事故、感情のもつれ、金銭のもつれ
嫌なこと、不都合なこと全般を指します。


つまり、自分の影の部分。
影とは闇、
闇とは病みのことです。


そんな訳で、
身の回りの環境の整備、食事内容の見直し、
言動、行動、感じ方、考え方の見直しなどを含めて


自分の『在り方』を整えることが、
自分の「気」を整えることである
と私は考えます。


むしろ、病とは
『自分の在り方』を見直す時のアラームです。


個人にしても、
集団(家庭・職場・社会)にしても、
やっぱり、病は気から。


病気を含めた様々な不調和は、
そこに居る、一人ひとりの在り方が、
長い間、見直されないことによって、
発生するのではないか?と考えます。


ですから、僕がお手伝いしているのは、
あくまでも『在り方の見直し』です。


在り方の見直し、と言っても、
何か良い在り方の基準を作って、
それを盲目的に信じてもらうことではありません。


自分(或いは、自分たち)の手で
自らを見つめ直し、
自分と向き合って、対峙して、対話して
自分の在り方を見直す行為を
何より大切にしています。


自分の在り方を見直す、という行為は
いくら専門家であろうと
いくら高名な先生であろうと、
どんな神秘家であろうと、
たとえ神であろうとも、


本人にとって代わることは出来ません。
自分にしかできないことです。


だから大切。
だから難しい。
だからこそ価値があり、効果があるのです。


病いは気から。
何か少しでも感じて頂ければ嬉しいです。




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