医師 黒木 弘明

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二〇二四年 五月四日(土)

綴りごと 想いごと

無名の巨匠たち


以前と比べて、他人の小さな親切に
すごく感動するようになりました。


お店やホテル、通りすがりなどで
ちょっとばかしの親切をくれる人が
ちょいちょい居ます。


咄嗟のことなのに、刹那のことなのに
その時の言葉、その表情、その声、
どれも無駄がなくて、素晴らしいと感じる私。


正に自然にやってるし、
恩返しも気にしないし、
相手の反応さえも気にしない親切。


なんだか親切の職人技のような
一種の芸術のような気がします。


この人たちは、音楽で言ったら
即興演奏の名人でしょう。
wes montgomery とか b.b.king のレベルです。


町の至るところに
無名の巨匠たちがゴロゴロと居る。


なんと素晴らしいことだ
と感銘を受けてしまう私。


よく見ると杭の上で
一羽の鷺 が立っている。
それさえも親切に見えてくる私。


職人技の芸術的な親切は
僅かでも心を温めてくれる。


そういう人に憧れる
口数と手数と煩悩の多い私。
また一歩、無明から出る。