医師 黒木 弘明

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二〇二四年 五月九日(木)

綴りごと 想いごと

流行りではなく

 

あれ?感謝って流行ってるんでしょうか?
なんでも感謝することが大切みたいな、
とりあえず感謝しとけみたいな、
感謝したら、幸せになるからしとけみたいな。

 

 

そんな風潮をちょっと感じてしまいました。
ありがとう、感謝、という単語を
口にする人が増えてきているのは
別に悪いことではないんだけど…

 

 

無理してない?

 

 

嘘言ってない?

 

 

感謝をしたいのかな?
それとも感謝をすることによって
幸せになると信じているのか?
感謝に見返りを求めてない?
本当に感謝したいのかな?

 

 

無理をしている感謝は危険。
それは現状に対する自分の不満を
無理くり鎮圧させてしまう作用を持つから。

 

 

本当は心の中のメラメラした炎を
爆発させたいのに感謝で火消し鎮火。
でもその火は一時的に小さくなるだけで
消えはしないから、またくすぶる。
それだと、心の火傷が拡がってしまう。

 

 

本当にしたい感謝は励行。
得心のいく感謝は好循環を生むが、
したくもない感謝、無理くり感謝は
実は苦しみを生むので、再検討を要す。

 

 

本当に感謝したいですか?
その前に貴方、何か不満がありませんか?
怒りがありませんか?
悲しんではいませんか?
怖いのではありませんか?

 

 

感謝って美徳じゃないし、
感謝って作法じゃないし、
感謝って呪文じゃないし、
感謝って償いや懺悔でもない。

 

 

自己表現だよ、きっと。

 

 

だから無理すんな。嘘つくな。

形にこだわりなさんな。
したくもないことしてると
したいことができなくなるぞ。

 

 

未来のためと言って
今したくもないことをしてると
やりたいことができる未来は、実は遠のく。

 

 

やるなら、嘘のない、心からの感謝。
形や言葉に囚われない心ある感謝。
無理にすることでもない気がするよ。