医師 黒木 弘明

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二〇二四年 五月三日(金)

綴りごと 想いごと

求める心

感情という悩ましいものは

私たちの「求める心」から

生まれてくるのではないでしょうか?


ああして欲しい、こうあって欲しい、という求める心。それが叶うと嬉しいけれど(一度その喜びを味わうと)、叶わなかった時の落胆も生まれるのです。こうして私たちの中に、悩ましい感情が生まれる。


しかし私たちは、自分の中から生まれた感情の扱いには不慣れで、感情との付き合い方を学校でも教わっていないので、いつしか気づかないうちに、自分が感情に呑まこまれてしまう。


だから、自分の「求める心」に応じてくれなかった相手(もしくは自分)を責めてしまいがちだけど、当然事態はさらに混乱するし、さらに感情は勢いづく。


よくよく考えると、相手が同僚であろうと、部下であろうと、恋人であろうと、子供であろうと、家族であろうとも、また自分自身が社長であろうと、親であろうと、神であろうと、仏であろうと、全てが全て自分の思い通りに『ならない』ことの方が通常であって、思い通りになる方が『奇蹟』だということを忘れてはいけない。


今日オムライスが食べたくなった人が、

今日のうちにオムライスにありついたのならば、

それは立派な『奇蹟』なのです。

そんな訳で「求める心」には気をつけなくては。

求めすぎると、自分も周りも傷めるので。