水面の雲
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雲には、
自分の姿が見えない
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それでも朝のほんのひと時だけ
水面に映る自分の姿を見ることが出来る。
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どんな姿が映ろうとも
雲は水面が悪いとは思わない。
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ただただ水面に映る
自分の姿を見て感じるのだ。
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風が強くて波が高くて
水面に映る自分の姿が歪んでいようとも
雲は文句を言わない。
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なぜならば、波風をたてて
動揺しているのは自分である、ということを
雲は受け容れているからだ。
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今日も雲は
自分が映る僅かなひと時を逃すまいと
大切に水面を見つめている。