医師 黒木 弘明

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二〇二四年 四月二七日(土)

綴りごと 想いごと

本来の自分の姿を目指して

なりたい自分に向かって、

本来の自分の姿に向かって、

今まで浸かっていた世界から、

さらに広い世界に向かって飛び出して、

一歩ずつ歩いてく。

まだ小さい頃のカメは、洗面器の中に居ても、

そこが洗面器だと気づかないので、

外に出ようとは思わないので、じっとしています。

しかし、前よりも大きくなったカメは、

自分が居る世界が、

限りある洗面器の中の世界だと気づきはじめます。

そして、自分本来の姿、自然の姿の自分を求めて、

勇気を出して洗面器の外に出ようと決意します。

たとえ、洗面器の中がどんなに安全で、

温かい湯が張っているとしても、

カメは

そのぬるま湯に浸かり続ける気はないのです。

安全なぬるま湯よりも、

厳しくとも、自分本来の自然な姿を目指して、

勇気を振り絞って、

広い世界に飛び出してゆくのです。

それでもカメの行き先は、

カメが思っている以上に安全なのです。

カメ自身は気付かずとも、

カメはこの先も護られてゆくのです。

なぜならば愛すべき存在だからです。

そんなカメの勇敢な姿。

私たち人間にも

通ずるものがあるような気がしました。