医師 黒木 弘明

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二〇二四年 三月二九日(金)

綴りごと 想いごと

拙著より

久しぶりに自著からの引用です。

「なりたい自分、最高の自分、愛の塊に

なった自分を心に描きましょう」と書いております。


これをわざわざ本に書いたのは、
これが少し難しいことだからです。


では、なぜこれが難しいのか?
それは、私たちが愛の塊であると
思い描くことを阻害するものがあるから。


何が阻害するのか?


きっとそれは
『悪い』という思考でしょう。


ふたつ前の投稿でも書いてますが、
好き嫌いは(その人の個性なので)
あっても構わないのですが、
善悪という物差しは、私たちを苦しめるのです。


例えば、何か思いがけず、
楽しいことがあったとします。
それを「良いことだ!」と皆さん仰る。
では、その反対は?


思いがけず、心を痛めることがあった。
それを皆さん何と呼びます?
こう呼んでいませんか?


思いがけず『悪いこと』があった、と。


分かりますでしょうか?
皆さんのアタマの中に
以下のような公式がないでしょうか?


楽しいこと・嬉しいこと=幸運=良いこと
つまらないこと・悲しいこと=不運=悪いこと


ほら、ここでも『悪い』という
言葉を使ってますね?
(いや、それが悪いとは言ってませんよ)


悪いことが起きる…
悪いことが続く…
ということは私が善くない存在なのか…
私は悪い存在なのか…


悪いという言葉を使っていると
そんな善悪二元論の思考に
いつの間にかハマってたりします。


では百歩譲って、
悪いことが在るとしましょう。
その悪いことを、よくよく分解してみると…


その『悪いこと』はつまり、
貴方の感情を愉快にしてくれなかったもの
貴方の好みではなかったもの
ですね?


そう、それらは善悪、良し悪しではなく
貴方の好みという、
貴方の個性の問題だったのです。


ここでもう一つ着目したいのは、
初めのうちは自分を不愉快にする現象も
場合によっては、後々自分の学びや、
自分の心の糧となってくれる現象に
深化・変容するということです。


今は嫌なこと、不快なこと
今の貴方の好みに合わないこと
これらは貴方の変化・深化・熟成に伴って
変容することがあります。


もちろん貴方を不愉快にさせるもの、
貴方を悲しくさせるものを
未来の貴方は大好きになる!
とは断言しませんが


貴方の学びや、生きる糧となったり
貴方の心に波風をさほど立てないもの、
気にならないものに変容することがあります。


貴方が嫌なものの中には、
貴方をやがて幸運に導くようなもの
さえあります。


だから、今の貴方にとって
嬉しくない出来事が起きたからと言って
『悪い』ことが起きた!とは言わず思わず。


ちょっと今の私の好みとは違うんだよね〜
くらいに留めておいて、悪いとは断じない。


そうすることで、好きになれないことも
貴方を豊かにする材料に変容する余地を残します。


貴方が理想の貴方になる時
貴方は愛の塊になっています。


貴方が愛の塊であるならば
悪いことなどは存在しない。


だから、良いことの反対語は
『悪いこと』ではなくて
「好みに合わないもの」にしませんか?


そうやって自分の中の思考や
用いる言葉を少しずつ置き換えて
自分を愛の塊に創り上げるのも
私たち人間に与えられた特権です。


大丈夫。
大丈夫。
貴方は素晴らしい。