医師 黒木 弘明

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二〇二四年 四月二七日(土)

綴りごと 想いごと

我慢と忍耐

 

写真の説明はありません。

あくまでも私の定義です。

我慢とは、

理由も分からないまま、とにかく頭ごなしに、

自分の願望が叶わないと知らされる状態のこと。

忍耐とは、

自分の願望が叶うまで希望を持って待つことができる、

もしくは、

自分で願望を叶える道筋を探って行ける状態のこと。


我慢と忍耐は、何となく似ていますが、

全くの別物で、実はどれだけ我慢をしても、

忍耐力は育たないのではないか?

と考えています。


よく部下の育成や子育ての場面で、

「世の中はそんなに甘くはないんだ

と言うことを教える為に我慢をさせるんだ」

という話を聞きますが、

それでは不満を溜め、いつか爆発させるだけで、

夢や希望を叶えるために工夫して生きることを

教えていない気がするのです。


たとえ相手が子どもや、若年者であっても、

相手の理解力が高くない場合でも、

訳も説明せずに頭ごなしに打ちのめすのではなく、

相手を一人の人間として扱い、

誠実に、正直に、言葉を選んで話すこと、

伝えようと努力することから、

言葉を超えた相互理解が始まるような気がします。

たとえ僅かであっても、

相互理解のある所に忍耐力は育つ、と考えています。

そんな手間暇をかける忍耐力。

それを試されているのは、

実は大人の方かもしれません。