医師 黒木 弘明

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二〇二四年 三月二九日(金)

綴りごと 想いごと

感謝の成長

以前から私が、方々でお勧めしているのが

3つの感謝。

Three Good Things です。

毎日寝る前にその日一日を振り返って、

3つ以上の感謝をする。

これを毎晩繰り返してゆくと、

はじめてから1週間後から

うつのスコアも下がり、

幸福が増えたスコアも上がる、

という科学的な実証結果は出ています。

(ポジティブ心理学という領域です)

ところが、こういうお話も伺います。

毎日やっているうちに

同じことばかりに感謝したり、

マンネリ化したり、

感謝する内容が見つからなくなってしまう、

だから続かない、と。

ということで2020年最初のコラムは

この「3つの感謝」についてとりあげます。

まず皆さんは何に感謝しますか?

感謝する内容をグレード別に挙げてみます。

1、一生涯に数回しかないような良いこと

2、数年に一回しかないような良いこと

3、一年に一回しかないような良いこと

4、一年に数回しかないような良いこと

5、一ヶ月に一回しかないような良いこと

6、一ヶ月に数回しかないような良いこと

7、一週間に一回しかないような良いこと

8、一週間に数回しかないような良いこと

9、一日に一回ある良いこと

10、一日に数回ある良いこと

ざっと挙げました、良いこと10種類。

あなたはどうですか?

1から10のどのグレードまで感謝できますか?

ここで私が申し上げたいのは

感謝するべきこと=良いこと

良いこと=稀有なこと・レアなこと

という勝手な思い込みはないですか?

ということです。

この思い込みがある人は、

毎日の身近なことの中に感謝を見出せません。

よほど良いことがないと感謝ができない、

それでは「3つの感謝」の効果が出ず、

あなたの幸せは増えませんので

気をつけてください。

この「3つの感謝」は練習なのです。

放っておくと、幸せよりも不幸に目がいく。

そんな習性を持つのが人間です。

その人間である私たちが、日々を見つめ直し、

今まで気づかなかったような幸せを

見つける為の練習が、この「3つの感謝」なのです。

今あなたはこのブログを読んでいます。

それは、かなり幸せなことではないですか?

内戦や戦争の起きている国ではブログなど

心静かに読むことなど叶いません。

様々な端末に電波が十分に届いていなければ

ブログなど読めません。

これを読んでいる人の感じ方は様々であっても、

これを読んでいる人は、確実に幸せな人なのです。

それを忘れないでください。

毎日続く当たり前のような出来事であっても

決して当たり前ではありません。

当たり前にしてはいけません。

それが当たり前になった瞬間から

あなたは感謝を忘れ、

あなたの幸せが減るのです。

今日は、さらに深めていきます。

感謝すべきこと=良いこと

これも実は、勝手な思い込みです。

良いことでなくとも

感謝すべきことは沢山あります。

今のあなたにとって都合の悪いことに

あなたが感謝をしてはいけない、

という法律はありませんし、

実際に、その時は嫌なことであっても

後々、大きな教訓になるような出来事は

人生には沢山あります。

人生には良いことがあると同時に

その時には良いと感じられないことがあります。

この双方が合わさって人生です。

にも関わらず、

仮にあなたが良いことだけに感謝をする、

稀有な出来事・レアな出来事だけに感謝をする、

そんな偏った習慣を続けていたら、

おそらく、あなたの人生の大半は

感謝されないままでしょう。

自分の人生に感謝をしない、

人生の大半が感謝されない出来事で占められる、

と自分で認識している、ということは

自分の人生を否定しているのと同じことです。

その状態でいながら

人生が楽しくなることは有り得ません。

人生が楽しくない。

それは、あなたがどこかで

人生を否定しているからでは有りませんか?

人生を肯定していますか?

人生に感謝していますか?

人生に感謝できない自分がある、

人生を肯定できない自分がいる、

仮にあなたがそうだとしても、心配要りません。

そういう自分をまず、表現してください。

そういう自分を隠さないでください。

そういう自分を出すことができた、

自分に嘘をつくのをやめた、

そこが感謝と肯定に向かうスタート地点です。

それこそが賞賛すべき素晴らしいことです。

感謝とは、賞賛のことでもあります。

このようにして

感謝と賞賛の幅が広がるということは、

人生への肯定が拡がるということで有り、

あなたの幸せを受け取る準備が整ってゆく、

ということです。

ですから、「3つの感謝」が上達する人は

感謝の枠を拡げてゆく人なのです。

「3つの感謝」をマスターした人は

良いことだけに限った感謝をしません。

良くないこと、嫌なこと、悪いことの中にも

感謝したいことを見つけるのです。

11、一日に一回ある嫌なこと

12、一週間に一回ある嫌なこと

13、一ヶ月に一回ある嫌なこと

14、一ヶ月に数回ある嫌なこと

15、一週間に数回ある嫌なこと

16、一日に数回ある嫌なこと

17、一年に数回しかないような悪いこと

18、一年に一回しかないような悪いこと

19、数年に一回しかないような悪いこと

20、一生涯に数回しかないような悪いこと

さらに列挙しました、嫌なこと10種類。

良いことと合わせて

あなたが感謝できることは計20種類も有ります。

この20種類は段階です。レベルです。習熟度です。

1から20に向かうほど、

あなたの感謝習熟度、人生肯定度は高まります。

嫌なことがあるから

楽しいこと、良いことが分かる、

ということもあります。

嫌なことを知ることによって

自分の好み、真に求めるもの、

が分かるのです。

嫌なこと、悪いことを通して

自分の感性を知り、自分を知ることによって

生きやすい方角に向かうことが出来るのです。

ですから、嫌なことは

今のあなたを苦しめているかも知れませんが、

未来のあなたを楽にしてくれる可能性を

十分に秘めているのです。

そこに着目して欲しいのです。

それを忘れないで欲しいのです。

このことを信じて、信じ抜いて欲しいのです。

ですから、嫌なものに遭遇した時、

「これは一体私に何を授けてくれているのだろう?」

と思う方が吉でしょう。

あなたに起きていること全てを

未来の幸せの前兆だと捉えてみませんか?

そう思えば、感謝の念が湧き上がります。

感謝の習熟度が高まる時、

人生の肯定度が高まる時、

それはあなたの視点が拡がっている時です。

自分だけの視点から地球レベルの視点まで。

それが人間としての深化で有り、成長です。

ただ闇雲に「ありがとう」と唱えるだけでは

それは呪文です。

呪文や魔法で幸せになったとしても、

呪文の効果がなくなった時、幸せが消えてしまいます。

(それはアルコールやギャンブルと同じ作用です)

そうではなく、「ありがとう」をキッカケにして

あなた自身を『幸せ体質』にしてゆくのです。

そして

あなた自身の視点を大きくするのです。

それは

あなたの深化・成長と同じ意味です。

もっと素直に、ありがとう。

もっと大きな視点で、ありがとう。

もっと豊かな着眼点で、ありがとう。

もっと優しい気持ちで、ありがとう。

もっと明確な態度で、ありがとう。

もちろん、自分以外の存在に

ありがとうと言わせてあげること、

笑顔にしてあげること、

親切な行い、愛に基づいた行動なども

あなたの幸せを手繰り寄せます。

当たり前のことです。

そうやって、あなたの人生を幸せにして差しあげる、

それも、あなたのするべき「自分へのお世話」です。

今年一年を感謝に満ち溢れた年にしましょう。