医師 黒木 弘明

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二〇二四年 五月一六日(木)

綴りごと 想いごと

意思

 

私たち人間の多くが、

自分の悩みごとを消そうとしますが、

 

 

思うように悩みごとが消えない為に、
余計にストレスを感じ続けることで、
次第に心が弱ってしまっております。

 

 

それは病気ではなく、
こだわり過ぎ(固執・執着)であり、
誤解による誤作動の一種であり、
単純な順番間違えだと言えます。

 

 

悩みごとがある時は
悩みごとを消そうとする前に
まず悩んでいる自分を
しっかり手当して下さい。

 

 

自分の中の何処かが
痛んでいるから悩むのです。
傷ついているから苦しいのです。
それが何処だか分からない内に
悩みごとを掻き消そうとしても
むしろ逆効果です。

 

 

自分の手当とは、
一時凌ぎのストレス発散や
闇雲な自分へのご褒美など
とは異なります。
もっと真剣な作業です。

 

 

まず自分の傷んでいる箇所を
探し当てる為に
自分と向き合う体勢を
整えることから始めます。

 

 

体勢とは何か?
意思です。

 

 

自分と向き合う気持ち、
自分の痛みを探り当てる決意、
自分を護ろうという覚悟、
自分が好きになれないとしても
もう一度自分をお世話しよう、
できれば自分を愛し直そう、
その意思を持つことが先です。

 

 

その気持ちが無くては
どんなテクニックを試しても、
望むような効果は望むほどは得られず、
余計にストレスが溜まります。

 

 

悩みごとを消すのではなく、
悩める自分の声を聴く。
悩める自分の世話をする。

 

 

悩ましいのは分かります。
しかしもう自分へのご褒美が
効かなくなってきたことは
自分自身が一番ご存知のはずです。

 

 

満足と幸せは別次元です。
欲と歓びは別物です。

 

 

満足感に幸せを求めるのを
一旦やめて、そろそろ
自分と向き合うテーブルに
着くところから始めませんか?

 

 

貴方の心の中で
対話から生まれる幸せを望む、
もう一人の貴方が待っています。
もうこれ以上待たせるのは酷です。

 

 

もう一度向き合おう。
何度でも向き合おう。
試行錯誤で良いのだから。

 

 

 

自分との対話を始めることが

大きな成功なのです。