怖れとの対話(1)
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私は、最近よくブログの中で
「自分との対話」や「怖れ」などについて
言及しています。
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9月1日のブログ「休みの目的」では、
休みとは、自分と対話するのが目的である。
そのために心身を鎮める必要があるし、
心身を鎮めて終わりではなく、
自分との対話まで歩を進めて行かなければ、
本当の意味での回復は望めない、
というようなことを書いています。
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さらに9月3日のブログ「自分との対話」では、
自分との対話という作業について
大まかに三種類あると述べており、
そのうちの一つに「自分の中の怖れ」に
気付いたり、それを手放す作業が含まれる、
と書いています。
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そして、9月14日のブログ「怖れとは」の中では
実際に、ストレスと怖れの違いについて、
怖れが蓄積した場合どうなるか?について
書いています。
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ここまでの流れを整理しますと、
以下のようになります。
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あらゆる感情や負荷で疲弊した私たちが
再起して、自分を謳歌して生きるためには、
充分な休みが必要だ。
休みとは、心身を鎮めるだけではなく、
自分と対話することに真の目的がある。
そして、自分との対話とは、
自分の中の怖れを見つけることから始まる。
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さて、今日は「怖れとの対話」手法について
代表例を挙げてみようと思います。
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9月14日のブログで、私は
「自分にとって不都合なことが起きた時こそ
自分(怖れ)と対話をする好機だ」と書いています。
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まず「怖れとの対話」の時期ですが、
全てがハッピーな時は、難しそうです。
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逆に、ストレスを感じている時、
生き苦しさを感じている時、
苦悩や葛藤を抱えている時、
困難を抱えている時などの方が
(苦しい時期ですが)適していると思います。
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このような苦しい時期の方が
自分の中の怖れにアクセスしやすいからです。
満ち足りている時だと、
そもそも自分の中の怖れと向き合う理由がなく、
うまく怖れにアクセスできません。
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ですが、苦しい時は
誰しも大なり小なり、混乱しています。
その状態では、何が怖れなのか?
悪口なのか?愚痴なのか?八つ当たりなのか?
ごちゃ混ぜにになっているので、よく分かりません。
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ですから、まず最初にすべきは
整理です。
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あなたの苦しみを整理しましょう。
どんな苦しみがあるのか?
何が苦しいのか?
何に憤っているのか?
何に傷ついているのか?
何を求めていたのか?など、
全てごちゃ混ぜの状態で一人で憤慨せずに、
まずしっかり整理しましょう。
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さて、どうやって整理するのか?
私がよく推奨するやり方は二つあります。
そのうちの一つを、今回は紹介します。
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それは
書くことです。
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今自分が感じていることを
文字にして書き出すのです。
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単純に思えますが、
これは日記ではありません。
自分の心の整理のための記録です。
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今あなたが感じていることを
あなたの頭の中にある感情、感覚、
疑問、怒り、迷いなどを言葉にして
全て文字にして書き出してください。
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それが一言二言、五文字十文字、
ということは無いはずです。
むしろ、ノートが必要でしょう。
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媒体はなんでも構いません。
デジタルが好きな人は、
携帯電話のメモや、パソコンに記録するもよし、
アナログが好きな人は、
鉛筆、ボールペンでノートに書くもよしです。
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ただし、あなたの中の想いを
残さず書いていただく必要があります。
つまり、あまり他人には見せたく無い、
聞かせたく無いような言葉も
書き出す必要があります。
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これは、お綺麗にまとった日記では無いのです。
あなたの切迫した苦悩を書き出す場なのです。
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したがって、あまり人の目につかない秘密のノート、
などを私は推奨します。
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ちなみに、私個人の好みで申し上げると、
万年筆を使って、ノートに気持ちを書き出す手法に
非常に効果を感じます。
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なぜかは分かりません。
私と万年筆の相性かも知れませんが、
そういえば、昔の文豪や作詞家など、
言葉を扱う人の多くは万年筆を使っていましたね。
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私の感覚ですと、万年筆は傑出して
自分の中の感情を湧き上がらせ、その感情を
言葉に乗せてゆくのに長けた筆記用具だと思います。
(その分、インク補充や洗浄など手間もかかりますが)
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かくして、自分の想うところを余すことなく
文字に書き出してみてください。
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まず何が起きるか。
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自分の中の感情を文字に転写したのですから、
その感情が一時的に移動しました。
それよって自分の中に、少しのスペース、
すなわち余裕が生まれているはずです。
少しは、落ち着いているはずです。
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また、自分で書いている内容をご覧ください。
文字にしてゆく過程で、意外にも
自分で思ってもみなかった自分の気持ちや
感情、疑問や怒りなどが出てくることが多いです。
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自分の文字を読み返してみるのも良いですし、
気持ちを書き綴っている最中にすでに
「自分の知られざる感情」に気づく人もいます。
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まずここに「怖れの発見」のチャンスがあります。
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またこの手法に慣れてくると、
自分で自分と会話するようになる人もいます。
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自分で疑問や不満を投げかけ、自分で答え、
自然と自分が鎮まっていくかのような、
自分と自分のやりとりが文字で記録されている
という人もいます。かなり上級者でしょう。
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勿論ですが、
この手法でうまく行かない人もいます。
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その人は、
うまく言葉が書き綴れない、
自分の気持ちに集中できない、分からない、
集中できない環境で書こうとしている、
実施回数が足りない、
懐疑的な状態で書いている、
この作業との相性が合わない、
などの理由が考えられます。
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しかし、1回2回、1日2日で
大きな効果を望むのは過剰な期待です。
まずは2週間、10日、1ヶ月、3ヶ月の
継続を目指しましょう。
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頻度よりも、継続している期間の方が大切ですが、
最初のうちは、毎日〜1週間に1回程度の頻度で
気持ちを書き出してみてはいかがでしょうか?
とにかく、苦しくなったら即書くのです。
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それでもしっくり来ない人もいます。
その場合は、別の手法を試しましょう。
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この手法で何らかの効果があった人でも
別の手法と併用しましょう。
それについては、次回にいたします。
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ただ思いついたことを書くだけで
怖れとの対話になるのか?と聞かれれば
答えはノーですが、この手法をうまく活用すれば
怖れとの対話の一部になることも事実です。
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ただし、自分の中の怖れとの対話において
自分独りで始めて、自分独りで完結する人は
ほとんど居ません。
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自分の中の怖れと対話するには、
いろんな形で、誰かの手助けを借りたり、
どこかで何かのヒントを貰ったりすることが
多分にあると思います。
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むしろ、自分のこととは言え、
全て独りで背負い込んで
解決しようとしないことの方が大切です。
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どんな人にも、その人を助けてくれる環境が
大なり小なりあります。
ただ、それに気づくかどうかの差です。
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自分のことなので、他人任せにせず、
他人事のようにならず、原則は自分主導で。
それでも、他人の助けも頂きましょう。
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怖れとの対話。
今回は、自分一人でできる作業でしたが、
次回は、人の手を借りる作業に言及します。