医師 黒木 弘明

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二〇二四年 四月三〇日(火)

綴りごと 想いごと

弱さによって救われる

弱さとは、

あくまでも比較相対によって生じる言葉で、

それ自体の価値が劣るとか、

生命力が無いという意味ではありません。


道に生える草とその上を歩く人間を比べれば、
踏まれている草の方が弱い感じがしますが、
見方を変えれば、堂々悠々としている草に比べて、
病気や経済のことで心取り乱している人間の方が
弱くも見えてきます。


それは弱さではなくて個々の性質であり、個性です。
同じ人間でも個性は各自みんな異なるので、
自分という個性を自分で捉えてあげることは、
生きる上でとても大切なことです。


生きていく中で自分を研究し、
自分という個性を捉えるのには、
ある程度の時間がかかってしまいます。
その途中で困惑したり、挫けたり、
自暴自棄になるようなことはあります。


ですが、苦しい時、辛い時こそが
自分の性質が発露している現象ですので、
自分の個性を捉える好機となり得ます。


自分の体験を経て自分を捉えた人は、
自分を包んでいます。自分を抱擁しています。
その時、かつて悩んでいた自分の弱さは、
恥でも悪でもなくなって、
新しい自分の出発点となっています。


自分の弱さを憎まず、恨まず、
比較相対とは無関係にあなたの個性は、
あなたを幸せに導くための道しるべです。
弱さと呼ばれるあなたの個性は、あなたの羅針盤です。


今、自分の個性を捉えている最中の方々が
たとえ挫けそうになったとしても
自分から逃げない限りは
その先には安寧が訪れるということを
少しでも信じて頂けますように。



生学癒活152ページを
少し深掘りしました。