医師 黒木 弘明

メニュー

二〇二四年 五月一〇日(金)

綴りごと 想いごと

家族問題

お正月に家族と過ごして、楽しかったこともあれば、

微妙なこともあったのでは?

ということで、今日は家族問題について。


家族問題のほとんどは
おそらく「分かってくれない」問題
ではないかと感じています。


自分のことを理解してくれない
傷ついた、悲しかった、
本当は分かり合いたいのに!


というお話しを伺うことが大半。
で、「何故分かり合いたいのですか?」
と尋ねると「家族だから」という返答も大半。


うん。それよ。
それが家族問題の根っこよ。
それが「家族分かってくれない問題」の根っこよ。


夫婦が他人なのは判る。
でも血を分けた家族なんだから…
一緒に暮らしたんだから…


はい。それよ。
血を分けたら理解度が上がるのかな?
一緒に暮らせば分かり合えるのかな?


上がるのは期待度でしょう。
ああして欲しい、こうして欲しい
という期待度が他人に比べて
格段に上がるのが家族。


期待といえば聞こえは良いが
実は、中身は甘え。
甘えといえばスウィートだが
実は、中身は依存。


他人に自分を分かってもらうには
大変な労力が掛かりますよ。
(自分でも自分が分かりにくいんだから)
それが家族なら尚のこと。


家族の方が理解が早い!
と思ってる人多し。
逆。家族ゆえに理解難し!です。


家族には他人ほどの距離感が無い。
心理的にも、物理的にも。
そこが難点。


さらに「これくらい流石に分かるだろ」的な
先入観があるものだから、お互いに自己表現が雑。
だから分かりにくいどころか、誤解のデパート。
これが盲点。


だから家族が理解し合うには
他人よりもエネルギーがかかると心得よ!
というくらいの感覚に切り替えた方がもう早い。


だってそうでしょ?
DNAだが遺伝子だか知らんけど
それが近しいからって何が起きるの?
みんなDNA上はヒトですよ。


モンゴロイドだからってだけで
すぐ親友になりますか?
肌の色が一緒だから何ですか?
業界が同じだと全てオッケーですか?
性別、出身地、宗教、関係ありますか?


じゃあ、DNAの違うヒトでない生き物だと
心が通じ合えないでしょうか?
そんなことはない訳で。


遺伝子、家族うんぬんは
分かり合える度に全く関係なし。


つまり家族ってね
同じプレートで焼かれた
タコ焼きみたいなものじゃないかね?


同じ具材を入れているけど
同じ味のように思うけど
食べるタイミングや味付けで
だいぶ違ってくる訳で。


人間でいう味付けってのは
毎日の生活のことですから
同じ味になる訳は無いのです。


私タコ大きめだから判るでしょう?
俺、青のり多めだから判るよね?
拙者、マヨネーズかけない派ゆえ解るはず?
手前は、鰹節が必要なのは分かりますか?
僕は、少し冷めた味ってのはご存知よね?


分からんのです。
知らんがな。


誰であろうとそれが基本です。
それがコミュニケーションの出発点。


本当に分かり合いたいなら
そこから手間暇かけねば。
表現してゆかねば。


家族という遺伝子や戸籍は
手間暇を省く道具にはなり得ない。


そのややこしい手間暇が
いつしか絆になるかも知れないし、
ならないかも知れない。


もうみんなタコ焼きなんだから
楽な人と居れば良いやん。
絆を求めて自分を傷つけるのは
絆じゃなくて傷な。


相手に対するひいき目もなく
相手に対する偏見もなく
自他共に中立的に、純粋に敬意と愛を
抱くことのできる人の集まり、
それが本当の家族ですよ。


言葉や制度に振り回されず
自分の形で自分を活きたら良い。
タコ焼きなんだから☺️


それでは
今日はこの辺で🍀🙋🏻‍♂️🍀