医師 黒木 弘明

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二〇二四年 四月二〇日(土)

綴りごと 想いごと

嫌いな人が入口

 

あなたの大嫌いな人が居るとしましょう。

もしくは、苦手な人が居るとしましょう。

 

 

その人が、あなたが自分をケアする入り口です。

その人を嫌いな理由、あるいは苦手な理由がある筈です。

 

 

そこが、あなたの傷ついている場所です。

もしくは、怖れている場所です。

つまり、愛と離れている場所です。

そこは入念にケアしてあげる必要がある場所です。

意外と、自分でも気づかない場所です。

 

 

つまり、あなたの嫌いない人、苦手な人は

嫌われ役を買って出て、

あなたが愛と遠ざかっている部分を

示してくれる人です。

 

 

ですが、無理をしてまで

その人のことを好きになれ

とは言いません。

 

 

憎しみさえなければ、嫌いのままでも

私は良いと思っています。

好き嫌いは、個人の好みなので。

 

 

ただし、自分のケアをしなければ

時間と共に心身は痛んできますので

やれるうちにやっておきましょう。

 

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大嫌いだった人。

ただただ不愉快だった人。

ものすごく苦手だった人。

 

 

早く私の目の前から消えて欲しいあの人…

に限って、なかなか消えないことにイラつき

人生の不条理と無情を感じていた私。

 

 

ある日、何故そう思うのかな?と

勇気を出して、一度自分で

自分の中を確かめてみた。

 

 

そしたら、なんと

そこが自分の心の傷だった。。。

 

 

あの人は、いつも私の心の傷に塩を塗る。

あの人(塩)が近づくだけで

私の心の傷口にしみるから、痛くて辛い。

 

 

傷口の一部は化膿して

膿が溜まっていたけど

自分では出しきれなかった

 

 

だから、心の膿を出すのを

心の職人に手伝ってもらった

 

 

心の傷口の中で化膿し

沸騰するマグマのような私の怒りを

取り敢えずぶちまけてみた

 

 

しかし、それでは終わらない。

 

 

あの人とは、もう会いたくないのに

何故だか避けきれない。

なんなんだ?この腐れ縁は?

 

 

しかし、よく考えると

私の心の膿は出たけど、傷が塞がっていないんだ

ということが分かった。

 

 

今からでも遅くはないから

この傷を癒してあげなきゃ、と思った。

この子(私)を助けなきゃ、と思った。

 

 

この先、放っておいて傷がもっと開いたら

もっと些細なことで心が痛くなってしまう。

 

 

そしたら、生きるのが痛くなってしまう。

果てには、生きてるだけで心が痛んでしまう。

 

 

そうなる前に

少しでも私の心を癒してあげたい。

 

 

やっぱ、調子の悪い時だけ

心を癒そうしてもダメなんだ。

 

 

調子の良い日も悪い日も

心の為に、自分で何か工夫しなきゃダメなんだ。

それも心の職人に聞いてみようか…

 

 

正直言って

あの人のことは、今も好きではないけど

 

 

あの人は大切なことを教えてくれた…

私の心が大事に至らないよう守ってくれたのかも…

とは思いたくないけど

 

 

塩(あの人)って、そういえば

殺菌防腐作用もあるんだったけな…

 

 

やっぱり私の心が

腐らないようにしてくれたのかな?

 

 

と渋々感謝して

「あ、ありがとう…嫌いな人…」

 

 

と試しに言ってみたら

何故だか

心が軽くなってきた。。。

 

 

人生って一体、人間って一体

どうなってんだ?なんじゃこりゃ?

 

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そんな風で良いんじゃないでしょうか?