医師 黒木 弘明

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二〇二四年 三月二九日(金)

綴りごと 想いごと

動けない時

 

【動けない時もあるよ❤️‍🩹】
悩んでる人、心がお辛い人のお話を伺っていると、
長いこと同じ悩みを周回している人に沢山出逢うのです。

 

 

その方々の多くは、
「どうしたら良いのか教えて下さい」
と仰る。口を揃えたかのように。

 

 

もちろん、答えは僕の中ではなく
ご本人の中にしか無いのですが、
まずは頭の中の悩みのリピート再生を
解除する為のキッカケをいくつか
アドバイスしたりします。

 

 

しかし結果は、変わりません。
アドバイスを殆ど実践しないのです。
で、別のアドバイスを差し上げます。
やっぱり同じです。理由も同じです。

 

 

だからこの方々は、言っても聞かない頑固ちゃん、
動き出しが遅い人、怠け者だと見られがちです。
でもそうとは限らないのです。諦めてはいけない。

 

 

つまりこれは何かと言うと、
苦しむ本人は「アドバイスが欲しい」
と言っているけれども、本当は
別のものを求めている、ってことなんです。

 

 

本人にしてみれば、とにかく苦しい。
だからこの苦しみを解き放つ答えが欲しい。
キッカケが欲しい、魔法の薬が欲しい、
と言うのですが、本当は違うのでしょう。
ご本人が真に求めているのは、こんなものかも。

 

 

この苦しみを一緒になって
向き合ってくれる人が欲しい…
苦しむ自分を肯定してくれる人が欲しい…
嘘の励ましの無い温かい言葉が欲しい…
自分の中の気持ちを読み取って欲しい…
自分は悪くないと思わせて欲しい…

 

 

なかなか動き出せない人、行動に起こせない人、
悩みの堂々巡りに入ってしまう人の多くは、
悩みの解決に繋がらないものを欲しがっている、
そんなことが意外と多いです。

 

 

つまり、
望むものと欲しいものが違う
ということです。

 

 

南に行きたい、と言っていながら北に向かう。
西に向かうと解決するのに、東に行きたがる、
そんな感じです。

 

 

みんなお金が欲しいって言うけど、
本当は、幸せを求めてるんでしょ?
それと同じですよ。

 

 

その違いをご本人ご自身が理解するまで、
ご本人が自分が本当に求めているものを
自分で見つけるまでの間、その人の苦しみが
リピート再生してしまうのです。

 

 

逆に言うと、苦しみが
リピート再生するということは、
何か自分の思い違いがあるよ、
というサインだということです。

 

 

もうちょっと言うと、
苦しみがある、ということは
本来の自分ではない生き方をしてるよ、
というサインなのです。

 

 

とは言え、
分からない時は分からない。
動けない時は動けない。
冬に入道雲は出ないし、
夏に紅葉は起きないから、
今の貴方は今の季節でゆこう。

 

 

動けない時もあるさ。
それなら、また動ける日も来るさ。
動けなくても、変われなくても、否定しないよ。