医師 黒木 弘明

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二〇二四年 五月二日(木)

綴りごと 想いごと

兄弟姉妹の日

4月10日は兄弟姉妹の日だそうです。

私には2歳年下の妹が居ました。


その妹は私が8歳の時に天国に渡りました。

白血病でした。

私も幼かったので記憶は限られていますが、

少し回想してみます。


★妹がある日突然けいれんを起こしたこと、

★病院の廊下で母とほぼ一日診察を待ったこと、

★化学療法の副作用で毛髪が抜けてしまった
妹を見た小学校の上級生の女子から
「お前の妹、ハゲやろ?」と言われ
僕は凄く憤りを感じたこと、

★骨髄移植のために検査を受けたこと、

★骨髄移植の検査の為に学校を早退する時
知人のおじさんが迎えに来たけど
パンチパーマだったので担任の先生が
誘拐犯と間違えて怒鳴ったこと

★骨髄移植適合の確率が最も高い兄妹でも
僕は不適合だったこと、

★ある晩「妹の命が危ない」と聞かされ
必死の思いで「がんばれがんばれ」と
紙に書いて祈ったこと、

★それが叶わなかったこと、

★お葬式の後、僕が般若心経を覚えたいから
経典を下さいと言ったこと

★小学校から帰ってすぐに遊びに出ていた僕は
もっと妹と一緒に遊んであげれば良かった
と悔やんだこと

★僕は妹の分も生きなければならないと水泳教室の
プール・サイドを歩きながら思ったこと

★妹はハローキティなど
サンリオのキャラクターが大好きだったこと

★妹はよく指しゃぶりをしてたこと

★幼稚園で妹にベタベタ近づく男子を
僕は物凄い目つきで睨んでいたこと


なんとなく悲しい思い出のように聞こえますが、
妹の人生は悲しいものではなかったと感じています。


妹が今ここに居たら、僕になんて言うだろう?
きっと「ねぇ、その髪の寝癖は直さないの?」とか
「なんか今日はごぼうが食べたいよね?」って、
何の脈絡もなく言うんじゃないかな(笑)。
妖精のように美しく、おっとりした妹です。
妹よ、ありがとう。