医師 黒木 弘明

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二〇二四年 五月二日(木)

綴りごと 想いごと

何処からともなく

風吹けば
何処からともなく
金木犀


秋が好きな理由の
半分くらいは実は
秋風が運んでくる金木犀 の香り
ではないか?と最近思いました。


というのも、
以前住んでいた町には
金木犀が沢山あって秋には
もう町の何処に行っても金木犀、
というのは大袈裟ですが
秋=金木犀が当たり前でした。


ところが今住んでいる町では
秋になっても、
なかなか香ってこない。


おかしいな?
鼻が利かなくなったか?と思うと
町に有る金木犀の数が少ないようです。
(元々、嗅覚は弱いですが)


だから、この町に来てからの僕は
金木犀の香りを探して
人知れず嗅覚をそば立てて歩いています。


すると、秋風に乗って
何処からともなく
金木犀の香りがほのかに
やってきます。


急いで金木犀の在り処を探すのですが
見つからないんです。
秋風に乗ってきた香りだから。
でも良いのです。


ほのかな金木犀の香りも
秋風に乗ってくるから良いんですね。
夏風や、木枯しでは
この感触は得られない訳で。
秋という巨匠の生んだ絶妙な組み合わせです。


金木犀と秋風の二人組。
大好きだけど目に見えない。
心で毎年お逢いしましょう。
ひとり秋の七夕MODOの僕。