予測不能
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その昔、幼稚園児の頃
アオタ・テルヒコくんという同級生が
高級そうな猫を飼っていた。
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アオタくんの家に行くと
僕は目が痒くなった。
猫アレルギーなんだと思った。
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それに僕はひどい喘息持ちだった。
だから猫は無理と考えたのもあって
僕は犬派となった。
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あれからうん十年。
まさか自分が猫と暮らしているとは
思いも寄らなかった。
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今は目は痒くない。
足元には犬も居る。
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ウチの猫と犬は何故か
僕と一緒にベッドに横たわるのが
好きで、いつも場所の取り合い。
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猫が僕の手を抱き枕にして寝ている…
全くもって思いも寄らない光景だ。
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そうか、人生は思いも寄らないのだ。
だから自分の限られた思考で
アレコレ思い巡らしても仕方ない。
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だから予想をしない。考えない。
第一、さほど当たらないし
当たってしまうのもつまらない。
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この「思いも寄らなさ」が
人生の醍醐味ではないかな?
と思ったりする。