医師 黒木 弘明

メニュー

二〇二四年 四月二六日(金)

綴りごと 想いごと

こどもの日

こどもの日。
『自分の中のこども』とお話ししてあげる日
にしたらどうだろう?


自分の中のこども。
結構、純粋で繊細で、
夢見がちと言われそうだけど、
無邪気で大胆で、心のままに生きている。


毎日を大人として生きている時は
平気な顔をしているけども
実は『自分の中のこども』は
大変な毎日を生き抜いてきたのかも知れない。


自分を大切に扱ってもらえなかった時
こどもは、それがどうしてかが分からない。
その理由をこどもなりに考えてしまう。


自分が良くない存在だから
自分に何かが足りなかったから
自分の努力が足りなかったから


そんな理由があるから
自分は大切に扱ってもらえなかったのかな?
と、こどもは思ってしまいがちだ。


今のことでも、遥か昔のことでも


大好きな人が離れていってしまった時
思わぬ傷付く言葉を浴びせられた時
自分のことを理解されなかった時


こどもは密かに心の中で無意識に
自分の価値が下がったような気になる。


本当はもっと一緒に居たい
本当はもっと見ていて欲しい
本当はもっとわかって欲しい
本当はもっと教えて欲しい


そんな純粋なこどもとしての欲求や願望が
毎日叶うとは限らない世の中で生きる時


こどものままだと余りにも傷付くので、
自分を護る為に、いつしか大人の鎧を着込んで
平気な顔をして生きることを覚えてしまったが


本当は今もまだ、こどものままに
望んでいたり、傷ついたりしてる。


そんな『自分の中のこども』に
やさしく声をかけてあげる。


大丈夫だよ。
君のせいじゃないんだよ。
君が悪い存在じゃないんだよ。
怖くなっちゃったよね?
自信がなくなっちゃったよね?
そう感じてしまうだけでね、
君の価値は下がったりしないんだよ。
それに君には僕(私)がついているから
ひとりじゃないから大丈夫だよ。
一緒に歩いてゆこう。


心の片隅で泣きべそをかいている
『自分の中のこども』に声をかける
やさしいお姉さん、お兄さんとしての自分。


こどもの日。
『自分の中のこども』と
「自分の中の大人」がお話しする日。


自分の中は
大人だけじゃないし
こどもだけでもないから
一緒に手をとってゆこう。


そして、安心して
生きることを思い出そう。


そんなこどもの日が
あってもいいかな。