医師 黒木 弘明

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二〇二四年 四月二〇日(土)

綴りごと 想いごと

かくれんぼ

あくまで僕の考えですが、
心身の不調のみならず、人生の不調の多くは
自分との人間関係の不和にある気がします。


自分との不和?
何それ?


という人も居るかと思います。
ズバッと言えば、自分の中に
埋もれている気持ち・思考・感情を
そのまま放置していると
心身や人生がやがて苦しくなってしまう
ということです。


これを僕は
『自分の中で隠れている自分』
と呼んでいます。


文字通り隠れているので、
自分のことなのに、
自分では気づかなくなっています。


では何故、彼らは
隠れているのでしょうか?


殆どのケースは以下の2つかなと。
①ショッキングな出来事があったから
②生きてゆくため(社会に適応する為)


①ショッキングな出来事
他人から見れば何とも無いようなことでも
本人にとっては大問題ということがあります。
その大問題に自分が驚くのです。
驚いて、怖いので、隠れるのです。
自分の中に隠れることで
一時的に忘れたような感覚になるのです。


②生きてゆくため
驚いて怖がっているままでは、
目の前の生活にならない、
学校に行けない、職場に行けない、
生活のこと、やるべき事が
できなくなってしまうので、
自分の心のことは脇に置いて
生きることを第一優先とするのです。
これにより、一時的に忘却した感じになります。


このような訳で自分の中の自分が
自分の中に隠れているのですが、
多くの人は忘れています。


しかし、忘れているのは当人だけで
隠れている自分は忘れていません。
そして、この隠れている自分は
自分では出てこれないので、
当人に見つけてもらうのを待っています。


しかし、待てど暮らせど探しにこない。
いつまで待たせるんだ!と
待ちきれなくなった自分が
「お〜い!まだかい?早く探しに来てよ」
と声を上げて言い始めます。
それが心身の不調だったり、人生の不調です。


最初は声が小さいので、
心身の不調も軽くて済みます。
肩こりとか、風邪程度かな。


でも、そんなんじゃ当人は気づかない。
すると隠れている自分の声は大きくなります。
それに応じて、不調も大きくなるのです。


めまい、耳鳴り、連続ギックリ腰、
痛み、ドキドキ、悲壮感など
自分の声が大きくなります。


そこで大抵の方は病院や治療院に行かれる。
そこで自分と初めて向き合って下さる。
その中で自分を振り返って頂ければ
少しずつ好転する場合もあるのですが
多くの方は、これをカラダの問題として
処理しがちなのです。


カラダとココロは表裏一体。
バラバラにしないで〜
隠れたままの自分からするとこんな感じです。


「やっとこっちに降り向いてくれたと思ったら
自分の手前で帰っていっちゃった!
え?何で?治療が終わった?何それ?」


あと一歩のところで
探してもらえない自分は不満を抱き、
更に声高になってゆくので、
症状が再発したり不調が続いたり、
別の問題がまた発生します。


色々やったけど上手く解決しない。
おかしいなぁ、何なんだろ?
もう心当たりがないのになぁ…


という方が僕の所に来られます。
余り宣伝はしてませんが、個人や法人向けの
プライベートなお話しも僕やってます。
(セッションとか言うと誤解されるし
セラピーというと治療的でなんか違う)


そこで僕の出番ですが、
何をやるかと言えば簡単。


『かくれんぼ遊びの続き』
をやるんです。


自分の中に隠れちゃった自分が
探し当ててくれるのを待ってますから
その子を探しに行くのです。


その子はずっと隠れて待ってます。
もう痺れを切らして、隠れ場所の
ヒントまで出してますから
お話しを伺えば、大体隠れ場所は
分かりやすくなってます。


うわぁ〜こんな所に君、隠れてたのか!
上手く隠れたなぁ!全然分からなかった!
ふふふ、君はしっぽを出してたね!
君のことだから、隠れるならここだと思ったよ!


これは、かくれんぼ遊びなんです。
自分が隠れて、自分が見つける。
この遊びを通して、自分と自分が
仲良くなるのです。


しかし、人生の色んな事情で
子どものような心が色褪せてくるので
かくれんぼの続きが出来ないのが私たち。
だから、僕はそのお手伝いをするのです。


ただし、見つけて終わりでは勿体ない。
心理分析・精神分析じゃないんだから。
自分と仲良くならなかったら勿体ない。


見つけた自分を抱きしめてあげる、
隠れていた自分とハグする、
そんな気持ちがないと、
自分はまたすぐ隠れちゃいます。


それから素直じゃないと
隠れた自分は見つかりません。


かくれんぼは、子どもの遊びです。
だから、大人の視線では
隠れた自分は見つかりません。


大人の視線とは
肩書き、役割、社会適応優先、
ファンタジーの無さ、
行き過ぎた合理主義などです。


ということで、長くなりましたが
自分とのかくれんぼ遊びの続きが
自分との人間関係には大切だ
というお話しでした。


あなたの中の
隠れている子(かくれん坊)、居ませんか?
あなたのかくれんぼ遊び、中断してませんか?
見つけてあげると自分と仲良くなれますよ。


ちなみに、僕もかくれんぼ遊び
まだ続いておりますよ(笑)
みなさん、さぁご一緒に
かくれんぼ遊びを楽しみましょう〜