医師 黒木 弘明

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二〇二四年 四月三〇日(火)

綴りごと 想いごと

一挙手一投足

以前も書きましたが、僕は永らく
お洒落とか身だしなみの理解に疎い割には
なりたい自分への願望が強く残っていて、
両者のギャップ・かい離に困っていました。


例えば髪についても永らく悩んでいました。
なんか上手くいかない髪型、セットできない。
全然上手く自分を表現できない。


もう鏡を見たくない、写真も見たくない。
「どうせ俺なんか、カッコ悪いもんなんだよ!」
もう完全にいじけ、身だしなみを諦めてました。
お洒落をすることさえ憎んでいました。(ひどい・笑)


そのまま気付かぬまま鬱屈した心で
中年を迎えたある日、親切な床屋さんが
ドライヤーというものの
使い方を教えてくれました。


当時の僕はドライヤーは髪を乾かすもの
髪なんて乾けば良い、伸びれば切れば良い、
程度にしか思っていなかったのですが、


ドライヤーは髪をセットするもの
髪型(=自分)を創る道具でもある
ということを教わりました。
当たり前だけど本当に知らなかった・笑。


と他愛もない話ですが、僕は
ここで深く学んだことがありました。


〜しさえすれば他はどうでも良い、
細かいことは言わない、何でも良い、
という姿勢は一見、大からそうに見えるけども


核となる自分の望みを明確にしていなければ
それは、選択を放棄していることになる。
大らかじゃなくて、大雑把なんだと。


何でも良い→どうでも良い、
→自分なんかどうだって良い、
という結構冷たい姿勢にもなり得るんだなと。


本当に自分が望んでいることを
自分でしっかり深掘りして整理して
叶う叶わないを考える前に


しっかりと望む、
しっかり指定する、ということは
贅沢とか、甘えとか、欲まみれじゃなくて、


自分を創るための選択権を放棄しないで
しっかり行使する大切な行動なんだなと。


僕たちには毎日、選択権がある。
限られた中でも次の行動を選択することができる。
その選択によって、次の世界が開ける。


貴方が望む世界を待つのも悪くないが
貴方の方から近づいて行ってはどうか?


貴方が望む世界を創ってはどうか?
全ての瞬間の貴方の選択によって
貴方の望む世界に近づいて行くのはどうか?


今これを読んでいる次の瞬間
何をするか、それも貴方の選択。


次の瞬間、どんな言葉を発出するか?
どれだけ深い呼吸をするのか?
それも貴方の選択。


どんな体勢を取るか?
どんな動きをするか?
何を口に入れるか?


全部僕たちに与えられた選択権。
その権利をまず自分のためにしっかり使おう。


やさしい世界に行きたいのであれば
自分にやさしい行動と選択を
積み重ねてゆけば良い。


楽しい世界に行きたいのであれば
自分が楽しいと思える行動と選択に
集中して積み重ね続ける。


憎しみのない世界に行きたいのであれば
貴方の中の憎しみを整理して
憎しみを憎まない為の選択を続ける。


誰かを守り切れる世界に行きたいのであれば
自分をないがしろにしない選択を採る。
貴方が犠牲になっては誰も守れない。


僕たちの一挙手一投足が
僕たちの居る世界を
確実に創っているのだから。


世界を創っている自分の力を
侮ってはいけない、
みくびってはいけない。


そんな力は自分には無い、
と貴方は言うかも知れないが


その思考の選択こそが
貴方を望まない世界に
とどめてしまうのかも知れない。


世界を創る力を持った自分を信じて
尊重して、大切にして、いたわって
今日も選択を続けてゆこうじゃないか。


そう、貴方も僕も今この瞬間、
自分の存在する世界を選んで、
創っているんだから。