医師 黒木 弘明

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二〇二四年 三月二九日(金)

綴りごと 想いごと

感動

出張の最中、私はスーツケースを持って移動しております。

ある日レストランでランチを食べ終わって、

次の用件に向かおうとしたら、

何とスーツケースのキャスターの一つが、

ポロッと外れてしまいました!

よく見ると、キャスターを留めているネジが外れて、

どこかに紛失してしまったようです。

「うわぁ〜困ったなぁ…こりゃネジが無くなってるわ…

明日まで出張は続くんだけどなぁ…

近くに修理をしてくれるお店が有るかどうか…

うわぁ〜困った」と私は内心、困惑しました。

すると、どこからともなく

レストランのスタッフさんがやって来て、

「如何されましたか?」と尋ねて下さいました。

しかし、レストランで

スーツケースの修理相談をしたところで

所詮は、お門違い・専門外ですから、どうせ無理な相談。

気休めの一言が返ってくる程度だろう…

と私は思っていました。


ところが、

レストランのスタッフの方々は、私の話を聞いて、

なんとか応急処置が出来ないものか?と、

あれこれと一緒に考えて下さるではないですか!(驚)

ガムテープや両面テープを持ってきて下さいましたが、

やはり上手く行きません。でも仕方ないです。

諦めて店を出て、スーツケースの修理屋さんを探そう

と、私は立ち上がりました。

その時です。

レストランのスタッフの方が

いくつかのパターンの

ネジとドライバーを持ってきました。

とは言え、スーツケース純正のネジではないので、

大きさや規格が合わないから無駄だよ…

と私は思ったのですが、

ナントこれがピッタリ合致!(驚・再)

かくして、私のスーツケースは元通りになったのです。

こんな親切なレストランは、生まれて初めてです。

とにかく驚きました。
私の心が乾いて居るせいかも知れませんが、

久しぶりに『親切な赤の他人』に出逢いました。

人間とは、かくも親切になれるものか!と驚きました。

また大変勉強になりました。

何かと細かく、カテゴリー別に分業されている昨今。

どこに尋ねて行っても、

「それは当方では分かりかねます」と言われ、

たらい回しに遭うなんてことが少なく有りません。

しかし仮に専門外であったとしても、

結果の良し悪しは保証できなくても、

難局を目の前にして、同じ目線で、

一緒になって考えてくれる人は本当に心強いです。

いえむしろ、困った時に困っている人が求めているのは、

そういう人の存在です。

困っている人が求めているのは、

上から目線ではなく当事者目線。

答えではなく支え。

私たちの仕事もかくあるべし!と思いました。

親切なレストランのスタッフの方々、

本当にありがとうございました。