医師 黒木 弘明

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二〇一九年 六月二五日(火)

綴りごと 想いごと

治療と健康管理

 

今日は改めて、健康管理のお話を書きます。

尚、ここで言う健康管理とは、

一般の個人が自分自身の健康と向き合っていくこと、

を指しております。

企業や職場の労務管理の一環としての

(労働衛生的な・産業保健的な)健康管理とは

意味合いが異なりますので、ご了承ください。

 

 

「ああ、自分の健康をしっかり管理しなきゃなぁ」

とあなたが思うのは、いつですか?

 

 

おそらく、体調を崩した時だと思います。

もしくは、それが連続した時。

元気な時は、健康管理なんて考えないのが人間です。

(すぐ甘えちゃうんですね)

 

 

で、次に考えるのが、

「体調不良は何が原因なんだろう?」と言うこと。

 

 

問題は、ここからです。

体調不良の原因が何の臓器にあるのか?と言うことを

科学的、(西洋)医学的に調べるのが、

一般には病院に居るお医者さんで、

それとは別のアプローチで、東洋医学的に調べるのが、

鍼灸師、整体師、或いは、気功の先生方でしょう。

 

 

この先生方は、体の悪いところを調べるだけではなく、

様々な技術を駆使して、修復して下さいます。

それだけで、とても有り難いことです。

(自分では出来ないことをして下さるのですから)

 

 

ですから、状態の悪い時には、

このような先生方のところに行って修復してもらう、

と言うのが「治療を受ける」と言うことでしょう。

 

 

悪くなった、治療を受けた、良くなった、

でもまた悪くなった…また治療を受けたら良くなった…

次は別のところが悪くなった…また治療へ行った…

いつまでこの繰り返しが続くのだろうか???…

 

 

こう言う「症状と治療の連鎖」を体験した人が

初めて考えるのが、自分の健康管理です。

 

 

体調が明らかに悪い時に、治療を受けることで

原因が(検査などによって)発見され、

修復されていきます。それが治療です。

 

 

しかし、目に見えた不調が無い時には

誰も病院には行きませんし、診てもらっても何も無い。

だからと言って何もしないで放っておくと、

いつかまた症状が出て、また治療をする、

その繰り返し…

 

 

ということは、

症状が顕在化していない時が大事なんじゃないか?

と思い始めるのが、実は健康管理の第一歩です。

 

 

体が悪くなってから施す治療、

とは別の、あなたの日々の健康管理です。

 

 

ですから、視点が少し違います。

例えば、症状が出たとします。

その症状の原因は、どこの臓器の不具合かな?

と探すのは、治療的な視点です。

 

 

しかし、それとは別に

「どうして症状という不具合が生まれたのだろう?」

 

 

「今回は〜〜の臓器に症状が出たけれども、

そもそも、なぜ私の体に不具合が出たのだろう?」

 

 

「症状の原因となった臓器を探すだけではなく、

その背景となる、私の中の不具合・不調和は何だろう?」

 

 

ということを探していくのが、

私の考える健康管理です。

 

 

ですから、治療をしていれば健康管理ができている、

とは、ならないのです。

 

 

治療というのは、

むしろ最後の方にある手段・選択で、

あなたの健康管理が、まだ軌道に乗っていないことを

あなた自身に知らせてくれるのが症状である、

と私は考えています。

 

 

では一体、あなたの中の何の不具合、不調和が

症状を生むのでしょう?

 

 

それはズバリ、その人の生き方・在り方である、

と私は考えます。

(ただし、一部の遺伝的要素によるご病気を除きます)

 

 

生き方・在り方と言っても、

そんな大袈裟に考えることはありません。

 

 

簡単に言えば、

その人が長い時間ふれているもの、関わっているものが

その人の生き方・在り方を創っています。

 

 

長時間ふれているもの、関わっているもの、

何でしょうか?

 

 

そんなに難しくないですよ。例えば、

食事、姿勢、運動、生活様式にはじまり、

お仕事、公私の人間関係がそれに該当します。

 

 

それに加えて、その人の行動様式や発言、

その人の考え方や感じ方の癖、内心で考えていること

なども、その人の生き方・在り方となりますね。

 

 

これらが、あなたと上手くマッチしていない、

フィットしていない、調和していないから、

不具合となって、それが積み重なって

やがて症状となって顕在化する、

という考えです、私は。

 

 

ご本人は何の問題も不調和も無い、と思っていても

正直な体は症状を通して、あなたに不調和があることを

伝えようとしている、と私は考えています。

(まずそこを受け容れるのが、最初のハードルですが)

 

 

症状の原因を探すのが治療ならば、

症状の背景(伏線)を探すのが健康管理。

 

 

症状を修復するのが治療ならば、

自分の中の調和を模索するのが健康管理です。

 

 

治療を主導するのが、専門家ならば、

健康管理の主体は、自分です。

 

 

そうやって見ていくと、健康管理というのは、

専門家が原因を見つけ出してくれて、

さらに修復してくれる治療とは明らかに異なり、

自分で自分の生き方・在り方を見つめ直して、

自分なりに試行錯誤しながら修正していくもの

ということになります。

 

 

まさに、自分との対話です。

 

 

正直、言葉で書く以上に大変です。

でもそこに、必ず何らかの答えがあります。

闇(病み)に対する光があります。

 

 

しかしながら、色々な事情や条件が重なってしまい、

自分のことが見えなくなってしまっている人、

自分との対話が出来にくくなってしまっている人、

どこから自分との対話を始めて良いか分からない人、

自分との対話のコツを掴むための練習中の人など、

様々な人が居られますので、

それをお手伝いするのが、今の私の生業です。

(あくまでも、お手伝い。)

 

 

私たちが苦しむ様々な症状と向き合う時、

科学的な疾病を見つけてもらうだけではなく、

さらに遡って、

私たちの生き方・在り方を自分で見つめ直して

そこにある不調和を少しずつ修正していくこと、

それが、私の考える健康管理です。

 

 

治療も大切。

健康管理も大切。

どちらも大切。

 

 

面倒くさいと思いますが、

面倒くさいのが、人生です。

コツを掴めば、楽しくなるはずです。

 

 

多くの人々が楽しく、且つ、真剣に

自分との対話ができるように

私も楽しく、且つ真剣に、活動して参ります。