医師 黒木 弘明

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二〇二五年 二月二〇日(木)

綴りごと 想いごと

愚痴の先へ

 

 

吐き出すだけでは進まず。

 

 

確かに、心に鬱積した悲しみや怒りを
溜めている(厳密に言うと、握りしめて
手放さない)状態では、好転しない。

 

 

だから、一番最初は時間をかけて
その心に溜め込んだドロドロを
自分で、「自分の言葉」を遣って
排出することに時間をかける。
これ大事。ここは必須。

 

 

これで全てが解決する!
か見えるが…実はここに
罠(ひっかけ問題)があるのをご存知?

 

 

心に溜まった悲しみを語り、
心を怒りから開け放ち、涙を流す…
その時、鬱積していたものが解放され
爽快感を覚える。これがカタルシスだ。

 

 

すると、この快感を得ることが
目的となってしまう、というのが罠。

 

 

自分を解放して、自分軸を再構築する、
はずだったのが、いつのまにか
愚痴をぶちまけて快感を得るのが
目的となってしまう。
人間アルアルだね。

 

 

そうなると、日々の自分の感情を
整理して、対処するのを覚えずに、
今まで通り感情を溜め込み、
爆発寸前になると誰かにぶちまけ、
そこで快感を得れば良い…
というループに入り込んでしまう。

 

 

とは言っても、一度と言わず、
何度でも、この罠にかかって欲しい。
このループに嵌められている自分に
気づけば、次のステージが見えるから。
気づくまで罠にハマって欲しい。

 

 

あ?愚痴ってるだけでは
ほんの一瞬、楽になるだけで、
私は全然前に進んでない…
私はもっと前に進みたかったのにな…

 

 

と気づいた貴方は
既に半歩前に進んでいる。

 

 

まだ愚痴り足りない!という人は
心ゆくまで愚痴るが良い。
やがて吐き出すものも無くなれば
否が応でも、前に進みたくなるだろう。

 

 

そこで私は下手に促さない。
あくまでも、自発的な気づきが全て。
私は貴方が貴方と向き合う場を
提供しているに過ぎない。

 

 

言うなれば、私はただの森🌳
貴方は、森の中で心ゆくまで
あくまでも自分自身と戯れるのです。