医師 黒木 弘明

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二〇一九年 三月二二日(金)

綴りごと 想いごと

掃除の効能

年末年始、いかがお過ごしでしょうか?

お仕事柄、お休みという人もいれば

お勤めという方も居られることと存じます。

 

 

さて、年末年始といえば大掃除ですが

毎年必ずやっている人も居られる一方で

休むので精一杯で、掃除まで手が回らない

という方も居られるでしょう。

 

 

そもそも掃除とは何なんでしょう?

何となくの一般感覚では

汚れている空間は汚れる(気が枯れる)ので良くない

とされていますし、風水も悪くなると言われますので

空間の汚れを取るために掃除が大切

と思われている節がありますね。

 

 

 

確かに、心身の調子が万全ではない人の

仕事場(オフィスやデスク)や、ご自宅などは

散らかっていることが確率的に高いのは

私の経験からも言えることです。

 

 

 

ですが、私の考えでは

散らかっている、整理されている、ということ以上に

『自分の手で掃除をするという行為そのもの』

に大きな意味があると考えます。

 

 

 

生きていれば、生活していれば、仕事をすれば

少なからず空間は汚れてくるものなので

その「汚れそのもの」を忌み嫌うのは

木を見て森を見ず、のような発想かと思います。

 

 

 

むしろ、汚れというものは

その場所で、自分が生きている証拠

自分が何らかの活動をしている証拠

だと言えます。

 

 

 

だから、汚れ自体を嫌わないで下さい。

それは巡り巡って、自分を嫌うことになりますので。

 

 

 

問題はその後です。

どんな人も、生きていれば汚れは出ます。

汚れを全く生まない人など居ません。

ですから、汚れることは当然であり、

その自分で生んだ汚れをどうするか?

が大切なことのです。

 

 

 

あなたが生きていることは、素晴らしいことです。

しかし、生きている限り汚れは生まれます。

さぁ、その汚れをあなたはどうしますか?

そこまでがあなたの責任の範囲です。

 

 

 

そこで大切なのが、お掃除です。

年末に大掃除をされた方は、分かると思うのですが

掃除を始めると「ここもか?」というほどに

汚れている箇所が次々に見つかり

なかなか掃除が終わりません。

中には、それが嫌で掃除が嫌い

という人も居るでしょう。

 

 

 

何度も言いますが

その汚れは、あなたが生きている証しです。

悪いことでも何でもありません。

綺麗な空間と比べれば、汚れているので

決して良いイメージではないでしょうが

その汚れは、あなたの生活や活動

つまり、あなたの人生を支えてきてくれたものです。

 

 

 

見た目は良くないかもしれませんが

汚れと言う

「あなたを支えてきてくれたもの」

「あなたを助けてきてくれたもの」

「あなたに代わって汚れてくれているもの」

を目の前にして、あなたはどうしますか?

私だったら、まずこう言います。

 

 

 

「ありがとう」

 

 

 

つまり、掃除というものは

自分の過ごしてきた空間をよく見て

汚れている場所を見つけて

ありがとう、と感謝の気持ちを込めて

汚れを拭き取るという作業であると、私は考えます。

 

 

 

ですから、あなたが掃除を行なった後は

あなたの空間が「感謝」に満ちた空間になっています。

あなたが掃除(=感謝)をした分だけ

あなたの空間には「感謝」が溢れることになります。

 

 

 

以前も書きましたが

感謝とは、今の自分の肯定です。

 

 

 

感謝に溢れた空間に居る人が

元気になるのは、至極当然のことです。

逆に、汚れっぱなしで感謝の欠如した空間に居る人が

元気を失っていくのも当然です。

自分を肯定されないのですから。

 

 

 

私が考える掃除とは

空間を綺麗にすることが目的ではなく、手段なのです。

自分の居た空間を掃除することによって

感謝を捧げ、自分を肯定する行為なのです。

 

 

 

そう考えると

なぜ年末に大掃除をするのか?

ということが分かりますね。

 

 

 

一年間、自分を助けてきてくれた空間を見つめ直し

その汚れを拭き取り、感謝を捧げることによって

今の自分を肯定し、新しい一年に向かう英気を養う

それが大掃除なのでしょう。

 

 

では、年末年始に大掃除が出来なかった人は

どうすれば良いのでしょう?

 

 

 

気にすることはありません。

一年というのは人間が作った便宜上のサイクルです。

あなたのサイクルは、あなたが決めてください。

大晦日でなくとも、元旦でなくとも構いません。

いつでも良いのです。

今でも良いし、明日でも良いのです。

あなたが決めたその日に

自分で空間と向き合い、掃除をすれば良いのです。

 

 

 

では、掃除がどうしても出来ない人は

どうすれば良いのでしょう?

 

 

 

その人はズバリ、電池切れ、エネルギー切れです。

しっかり休んでください。

休むことも、あなたの自分に対する責任です。

しっかり休んでください。

 

 

 

がしかし、ひょっとしたら

そこまでエネルギーが切れていると言う方は

休み方自体が、お分かりでないのかも知れません。

 

 

 

自分では休んでいるつもりが

実は、全くの休みになっていない

ということもありますので

もう一度、休み方を見直してみて下さい。

 

 

 

休み方を見直すとは

具体的にいうと、睡眠、食生活、姿勢、居住空間などの

オフタイムの見直しのことでありますが

同時に、あなたの仕事や、あなたの働き方

あなたの家族や職場同僚も含めた人間関係など

振り返りのことでもあります。

 

 

 

あなたの日々の負荷が

しっかりクリアされているか?

そのためのオフタイム、休息は十分か?

もしくは、

あなたがどうやっても処理し切れない負荷が

あなたに過度にのしかかっていないか?

それを考え、見直すのが「休み方を見直す」ことです。

 

 

 

この作業が自分で出来なければ

迷わず、第3者の力を借りましょう。

第3者が身近に居なければ、探しに行きましょう。

その為のインターネットですからね。

まだ希望はあります。

 

 

 

いずれにしても掃除とは

自分を支えてくれた空間に対する感謝であり

生きている自分を肯定する作業です。

何かとピカピカにするだけではありません。

 

 

 

普段見えていない自分と向き合い

気枯れ(汚れや疲れ)を見つけることで

生きている自分を感じ

また、万物に補助されながら生きる自分を知ることで

万物に愛されている自分を再発見し

その自分という存在を肯定するのが

本来の掃除の姿ではないでしょうか。

 

 

 

この地球上で、肉体を持ちながら

生きるということは

そういう面倒なことを引き受けていく

ということです。

 

 

 

そういう面倒なことが

生きている自分への責任であり

生きている自分への愛なのです。

 

 

 

だから、心を込めて掃除をする人には

視野が広く、豊かな人

つまり愛に溢れた人が多いのです。

 

 

 

いつでも構いません。どこでも構いません。

目につく所でも、隠れた所でも構いません。

あなたの居る空間を掃除してみて下さい。

ほんの少しでも構いませんから。

 

 

 

とにかく、何事も知識だけでは△です。

人生は、学力テストではないので

知っている・知らないは、大きな問題ではありません。

知識は、人生のゴール(目的)ではありません

ツール(手段)です。

 

 

 

あなたの人生ですから

まず、あなたが行動しなければ

何も始まらないのは、当たり前ですが

逆に、些細なことであっても

あなたが何かをやりさえすれば

確実に、ゆっくりと

もしかしたら、あなたが考えもしない形で

何かが変わるはずです。

 

 

 

そんなもんです。

人間が知能を使って必死に考えるよりも

人生はもっと

優しくて、奥ゆかしくて、単純です。

 

 

 

ということで

2019年最初の長編コラムは、掃除でした。

掃除を通して、この世界と

この世界に存在するあなたに

愛をふるまってみて下さい。

そして、新しい時代に羽ばたいて行きましょう。