医師 黒木 弘明

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二〇二五年 七月一九日(土)

綴りごと 想いごと

あの人が変わった理由

 

価値観が合う人だったのに、

いつしか傷つけ合う関係

(もしくは、お互いを肯定し合えない関係)

になってしまったのは何故か?

 

 

それは貴方とその人が
価値観が合っていたのではなくて、
似たようなトラウマを抱えていた二人
だったからではないかな?

 

 

似たようなトラウマがあるから
当初は共感できる所が多くて
それを気が合う人、価値観が合う人
と感じたんじゃないかな?

 

 

でも相手に共感されてるうちに
本来は自分で向き合うべき
自分のトラウマが隠れてしまい、
その結果、自分のトラウマを
放置してしまっていたのかも。

 

 

実は、
自分に放置されたトラウマは
時間と共に心の中で腐り、
より強固になりながら、さらには
自分のサングラスとしてこびり着き、
貴方の目に映る全ての事柄に
投影されるようになってしまうんだよ。

 

 

だから、そのサングラスを着けてると
いつしか自分の身近な人にも
自分のトラウマが投影されてしまう。

 

 

そんな風に
放置されたトラウマを抱えるお互いが
お互いにトラウマを投影するから
時間が経ってふと気がつけば

 

 

相手が敵のように見えてくる。
あんなに楽しかったはずの人が
今では苦しみの根源のように見える。

 

 

という訳だ。
あの人が変わったとか、
自分が変わったとかよりも
トラウマの相互投影、
これがカラクリではなかろうか。

 

 

心の傷は舐め合っても
癒えなかったどころか
少し拡がってしまった。
過度な消毒を続けると
怪我の傷口が塞がらないのと同じ。

 

 

それもこれも大切な学びの体験。
嘆くような失敗などではない。
これから自分と向き合う為の
大切な動機、理由となるのだから。

 

 

怖く過ぎて向き合えなかった自分。
痛過ぎて触れられなかった心の傷。
でもそれを癒せるのは他人じゃない。
世界で唯一自分なんだ。貴方なんだ。

 

 

自分は自分を癒すための
究極の至高の存在だ、ということを
今、貴方はゆっくり受容れはじめる。